ひねもすハトちゃん
- 作者: 久世番子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: コミック
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クラスの中でも一際地味で友達も少なく、
男子の中で行われた女子人気投票ではエントリーすらされないほど
存在感にも乏しいハトちゃんがお送りするちょっと痛いながらも懐かしいあの頃。
よくある学園ものでは間違いなくモブキャラ、
個性は強くてもせいぜいサブキャラ止まりな立ち居地なグループに
あえて焦点を当てて描かれる本作。
決して派手ではないけれども、自分もこういう生活送ってきたんだなー。
ハトちゃんの名字は『鳩山』なわけですが、
同じ鳩山でも自分ってものを持ってないバカ殿とは全然違って
こっちの鳩はいい鳩です。
作者の久世番子氏と言えば暴れん坊本屋さんを主とする
エッセイ漫画が代表に挙げられますから、
そっちの方面もカバーしてかエッセイものも同時収録されていて一粒で二度おいしいです。
と言うか名古屋人にとってスガキヤの存在って偉大なんですね・・・
ちょっぴりオタで、痛いけれども私たちは元気です。
今見てみると恥ずかしくてたまらない当時の言動と言うものは、
年齢層が同じならば考えることは大抵同じもの、
いつになっても大差あるものではありませんね。
自分の前世は●●だったと妄想設定をしてキャラになりきるって
中二病全開な行為はやっぱやりますよねー。
当時読んでた漫画なり、放送してたアニメなりに憧れる気持ちはわかります。
ファッションセンスについても然り。
流行なんぞ知ったものか、気に入ったんだからいいじゃないかと
遊びに行くための私服に喪服を着てきたりなんかしたりとかね。
こういうところは今現在でも和服に憧れたりする自分がいますから、
何だかすごく同意できるんですよね。
一般人には戻れない覚悟なんてものも見られる場面があったり。
通学鞄に蔵●と●影のイラストを描いてもらったものにカスタムするとか
いくらオタな人間であってもそれはあまりにも上級者向けすぎます。
不良タイプだと思われていたあの人が実は・・・
うん、生真面目な人間だろうとヤンキーでDQNだろうと好きなものは好きなんです。
でもさすがにここまでオープンにはなれないかも。
他にも思春期な中学生ならではと言えるかもしれない一人称について。
自分のことを『僕』と呼んでいたのから『俺』へと変えた日のこと。
これもある種の中学デビューって言えるのかな。
そんな自分は『僕』も『俺』も柄じゃないと『ウチ』で定着してしまいましたがね。
痛い中にも見られる様々な人間関係。
友達の定義って一体何なんでしょうねと思ってしまいます。
ただ趣味嗜好が合うだけではない、人間的な魅力に惹かれて。
別に好きと言うわけではないけれども、近所の腐れ縁で。
ただ一言友達と言っても色々な形ってものがあるんですね。
自分の場合は・・・何なんだろう・・・
離れ離れになったことで疎遠になってしまったとき、
その関係はどうなるのだろう。
学生の頃の友人だともう10年近く会っていないのもいますが、
仮に今すぐ再会したとして当時のノリでいけるのだろうか。
こんな風にずっと友達だなんて言い合える相手がいるのだろうか。
人間関係について考えてしまいます。