ゆゆ式 2巻
- 作者: 三上小又
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2010/02/27
- メディア: コミック
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特別な出来事があるわけではない、変わった活動をしているわけでもない、
最もリアルに近いかもしれない今どきの女子中学生の平凡な日常を描く本作。
事実は奇なりと言いますが、現実に極めて近いことが逆にファンタジーを感じてしまいます。
目的もないし、ほぼ全て思い付きでテーマを決めて
何もかもが完全アドリブ状態で過ぎてゆく日常。
PCで適当にググって面白エピソードを探して駄弁るだけとか、
形こそ自分たちが過ごしてきたものとは違うものの、
この頃の年代の刹那的な感じは今も昔も変わらないんだなーと。
どうでもいい言葉の響きに感動を味わってみたりとかね。
文法が何だとか難解で硬いイメージがある日本語において、
『なんつってっつっちゃった!』のリズム感は非常に関心してしまったところ。
新キャラも新たに加わったことで、3人組のやり取りのみならず、
傍から見るとバカな連中とも見られるノリを
また違った読者側に近い視線から眺めることもできるようになったため、
周りはそう思ってるのかーと趣深いところがありますね。
果たしてこの三人は新たなる時代を作ることができるのか。
今となっては数多となってきたゆる系作品の中においても
何一つ変わったこともない上に変にパロったネタがあるわけでもなく、
本当にごく普通の生活を垣間見ることのできる本作は
地味ながらもメディアミックスして云々って可能性を持ってると思うんですよね。
と、そう思ったりしながらもそんなことを意に介さず三人とも実にゆるい。
変わってるところと言えば縁がちょっといいところのお嬢さんらしいくらいで、
それを除けば現実に存在していてもおかしくないキャラばかりです。
ボケ×2にツッコミ×1と立ちどころもはっきりしてますからね。
色々と沸点の低い唯が特に可愛い思いますよ。
容赦ないどつきによるツッコミを入れてみたり、
かと思えば登場人物中で一番爆笑してるところが多かったりもするし、
表情豊かだから見ていて飽きないんですよね。
ぽてとでツボるかー、小学生時代の頃はスポンジでツボったことがあるなー。
水着の着替え中に激写されて写メ送信されてしまうとか、
これまたスタイルの良さからサービスシーンも忘れてません。
唯ちゃんの、ちょっとイイとこ見てみたい!
でもこの後ゆずこと縁は絶対グーで殴られてるな・・・
メインの進行はいつもの三人組なわけだけど、
徐々に出てきた新キャラとかはゆるゆるワールドに対して
一種のスパイス的な味わいを与えてくれていますね。
新しく準レギュラー的な立場として加わった委員長こと相川さんが
3バカに何となくノリで付き合わされて戸惑う様が何だか可愛いです。
最初は雰囲気的なものがあって避けていたのに、
とあるきっかけでもって仲良くなって以降は接する機会が増えてきて、
接触を積み重ねるにつれて次第に・・・
そんな相川さんをどちらかと言うと百合的な視線で見てそうな岡野さんとかも最後に出てきたし、
そういう意味での絡みもこれから楽しみなところですね。
完全にノリに引っ張られてしまっているある意味可愛そうなポジションにいるのが松本先生。
例えば当時ドラゴンボールが流行っていた頃はハゲているからベジータと命名するなど、
学生同士の中では先生にあだ名を付けるなんてごく当たり前の行為ではありますが、
あだ名が既に『お母さん』ですからね。
間違って先生のことをそう呼んでしまったなんて恥ずかしい思い出を持つ人は数多いと思われる中、
こうして素で呼んでしまうことはある意味すごいかも。
当初は3人組(と言うかゆずこと縁)くらいだったのにいつの間にか他の生徒達にも浸透して・・・
やっぱ雰囲気に対して抱くイメージってのは大抵は誰もが似たようなものなんですね。