パーツのぱ 2巻

パーツのぱ 2 (電撃コミックス EX 130-2)

パーツのぱ 2 (電撃コミックス EX 130-2)

日々是商戦、価格戦争。


秋葉原のとあるパーツ屋『こんぱそ』を舞台にした作品として
稀な題材とリアルな業界事情とで話題となった本作についに2巻目が登場。
ライバル店の窮地を目の当たりにしながら
社長から切り出された人件費削減の話題によって
自分の存在意義を見失ってしまった店長がいきなり失踪してしまうと言う、
前回最後の流れを引き継いだ重い展開から話が始まりますが、
何とか持ち直して以降はまた騒がしくも充実しているコメディのノリが戻ってくるので、
むしろそこからこそが本領発揮とでも言えますね。
相変わらずPCパーツ全般に関しての造詣が深いので、
自作PCをたしなむ人はもちろんのこと、
これから始めてみようかって人にもこれだけ広い世界なんだってことで読んでもらいたいですね。
前巻を読んだ際、きっと自作PCを作りたくなると書いた覚えがありますが、
事実、その一ヵ月後には購入プランを立て、
二ヵ月後には本当に一から全て買い換えて新PCを組んでしまったと言う経緯があったりします。
さすがに二年連続で組み直すことはないから、
今度は新しく周辺機器を揃えるか、はたまたOSを買い換えるか。
などと今からカスタマイズプランなどを考えてしまいますよ。
とりあえず作中に出てくるような5,500円の1TBHDDがあったら即買いですね。

現在でも1TBともなると7,000円台が平均的なところですし。


店舗間の価格競争だけでは収まらない人間関係の複雑さ。
ライバル店の新店長としてやって来た西福田さんが登場したことで、
特に手木崎絡みの人間模様が見逃せないポイントとなってます。
どうやら西福田さんは手木崎に対して元同僚と言うだけではない
特別な想いを抱いているようではありますが・・・

そもそも手木崎自身、まだ明らかになっていない部分がありますから、
今のポジションになるまでの経緯がこれから明らかになるのでしょうか。
前回の最後の方で単語だけ出てきていた『パスタ事件』。
ちょうどその全容が明かされようとしているところで次巻に続くとか、
どんだけ焦らしてくれるんですか!

一体何をしでかしたのか判明すると思われる3巻が出るのは秋口くらいになるのかなぁ。
恐らく『プラントPC』で働いていた頃のスーツにオールバックってスタイルから
現在の某イデのロボに乗り込んでそうな髪型と勤務中にゲームと言う
明らかに怠慢と見られるスタイルになってしまうに至った何かがあるとは思うのですが。

名前だけ聞くと大したことではなさそうではあるものの、
その実、非常に重大事件であることは間違いなさそうです。


萌え都市としての秋葉原も真の姿であれば、PC都市としての秋葉原もまた真。
本当に目的によって全く違う姿を見せてくれますよねこの街は。
方向性は明らかに違っても欠かすことの出来ない一面。
片や小柄、片や長身と外見的に全く違う本楽さんと天戸さんが喧嘩した時に
なだめるために手木崎が発した言葉はすごく名言だと思うんだ。

人間としての個性のみならず、秋葉原と言う街の本質をも現しているとも言えますし。
だからこそ競争相手となる店舗があることと言うのも
結果として業界の活性化に繋がっているのかも。
確かに店舗同士としては如何に相手を出し抜くかになるので、
他店が必要かとなるとそうではないかもしれませんが、
客側としては特定の需要に特化した店、
あのパーツはこの店が安いけどこのパーツはあの店が安い等、
やはり店があることに越したことはありませんからね。
女の意地同士の衝突から勃発したこんぱそとライブスのWindows7深夜販売対決、
果たしてどちらに軍配が上がることになるのでしょうか。


そう言えば一番最初に出てきた小学生、もしかして店長の娘さんですか?

一度しか出番が無かったけど、再登場したりはしないのかなぁ。