暴れん坊少納言 6巻
- 作者: かかし朝浩
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: コミック
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時はちょうど西暦1000年。
宮中の女房達は相も変わらず曲者ばかり。
新境地清少納言物語も早いもので6巻目。
様々な恋愛模様あり、新キャラあり、
普段対立している梅壺と藤壺の合同企画ありと、
何年経ってもドタバタ騒動の日々が続いてます。
作中の時間が994年から始まったので、
1000年になる今回はもう6年後になるんですね。
少納言が当初16歳だったから一応22歳になっているはずなのですが、
全然変わらぬキャラクターっぷりは全く歳を感じさせません。
実際には面識がない少納言と紫式部が共に険悪な仲ながらも
こいつには負けるかと向上していくところは
ライバル同士としてはいい関係なのかもしれませんね。
と、変わらぬノリの中にも大きな動向の兆しあり?
皇后様が何か一大プロジェクトを企んでいるようですが。
五節舞の人選に成功させねばならないと言ったその理由、
本番を迎えた舞台を見ながら一生のお願いとして彰子に何を言ったのか。
このあたりがこれからの主眼となっていくのかな。
毎回誰かしらの濃い新キャラが登場する本作の中でも、
新たに今回加わった赤染衛門は
トップクラスの強烈なキャラ性を持ち備えた人物として躍り出てきました。
名前は赤、見た目のイメージカラーはピンク。
箱入りお嬢な乙女キャラであることは確かに間違いありませんが、
お嬢故の世間知らずのためか、或いは全て計算の内なのか、相当腹が黒いです。
たぶん素なんだろうけど、天然腹黒って自覚がない分タチが悪いですね。
少納言とか紫式部に過剰なまでの憧れを抱いて仲良くなりたいのはわかるけど、
そのための手段を選ばないあたりはかなりの危険人物っぷり。
基本ツンデレが多い本作において初のヤンデレですよ。
仲良くなるためには例え相手を貶めることも厭わない行動原理によって
早速あわや大騒動になりかけたりもしているので、
大雑把な体育会系ノリの少納言とはまた違った
トラブルメーカーとしての立場は早くも磐石のものに?
まぁ根本的なところが子供だからだとは思いますけどね。
しかも百合の気がありと、そっちの方面でも隙がありませんでした。
不器用な人間たちの織り成す恋愛模様。
時代的なものとか身分的なもの、
歌を詠んで想いを伝える等の様々な事情があって複雑ではありますが、
普段は強気な女性陣も皆恋する乙女って面を備えてますね。
よくよく考えてみたら本作中で結婚まで行き着いたのってまだ皇后様だけだもんなぁ・・・
初登場の頃からキャリアウーマン的な立場だった宰相とか
これまた当初から大人のお色気キャラだった和泉式部とかは
既に行かず後家と言えなくもない歳になってしまっているような気が。
如何に歳を取ろうとも恋に憧れる気持ちってのは変わらないものではあっても、
宰相とかはやはりギャップが大きすぎますよ。
こう見えて案外乙女趣味なところがあることはわかっていましたが、
恋がしたいとかこれじゃ完全に人生に疲れた人です。
他にも紫式部と宣孝は両思いなくせにひねくれ者同士なもんだから、
相手を思いやる言葉の中にもどことなく皮肉が感じられます。
赤染にしてやられてやさぐれてるところを慰めるにしても、
デキてる間柄だからこその遠慮のなさがありますね。
やさぐれて鰯をやけ食いしてるところは何だか可愛かったです。
そして少納言と則光はこれまた体育会系のツンデレ同士なもんだから
全く進展しないことしないこと。
脳筋な則光のスタイルはまさに体当たり。
誤爆告白した挙句に八つ当たりで暴れ回ってタイミングを逃して、
時分の気持ちに気付いたけど奥手に回ってってどこの思春期ですか!
色恋沙汰に関しては存外ヘタレだったことが判明いたしました。