パパがも一度恋をした 1巻

パパがも一度恋をした 1 (ビッグコミックス)

パパがも一度恋をした 1 (ビッグコミックス)

家族の絆は見た目を超える?


三年前に最愛の妻を亡くして以降、引きこもりのニートになってしまった父。
後追い自殺を図ろうとしたある日、死んだはずの母が帰ってきた。
どこの誰とも知らない中年オヤジの姿で・・・

家族ってテーマも生き返ったってテーマもよくありますが、
見た目も性別も全く異なる姿であることを用いて
改めて家族とは何かを強烈に問いかける衝撃の問題作です。

そりゃタイトルからしたら甲斐甲斐しい女性との出会いによって
再婚への道を歩みだすようなものと思ってしまうんですけどね。
基本的なノリとか見た目と中身とのギャップに笑えるものの、
根本的なところを考えるとけっこう泣けてきます。

果たして見た目の壁を越えた生前と変わらぬ本当の愛を取り戻すことができるのか。
頑張れオヤジカップル!


望んでこの姿となったわけじゃない、
でもせっかく生き返ったのならもう一度幸せな生活をやり直したい。
それはとてもささやかな願いであると同時にとてもわがままな願いなのかもしれません。
そもそも何で中年オヤジの姿で生き返ってしまったのかが最大の疑問。
いわゆる波長とかタイミングが合ったとかで元のオヤジが依代となった?
神が与えた試練?それともただの悪戯?
見た目はあれでも心は若かった主婦のそれですから、
一見すると確かにキモいと思うものの、
段々この中年オヤジが可愛く見えてきてしまうわけですね。

アルパカを比較対象にするのは何か間違ってるような気がしますけど。

うん、いくら頭がハゲていようとも、スネ毛が生えていようとも、
加齢臭が漂っていても可愛いものは可愛いと思ってしまうことは恥ずかしいことではありません。
世間の風当たりは厳しいけど・・・
見た目は明らかに中年オヤジ二人が遊園地とか異様な光景にしか見えませんし。
ホモじゃない、ホモじゃないんだよ!


生き返った中年主婦多恵子のみならず、極めて奇妙な人々たち。
父吾郎からして何かがおかしいですからね。
確かに伴侶を失ったとなればショックは大きいでしょうけども、
三年間ニート生活送って未だ立ち直れないとかどんだけ依存してたんだよと。
85歳になる祖父もこれまた人間離れしたところがあったりするし。
そもそも二頭身であることのみならずイナゴ盛りをカメレオンのように食してみたり
50匹以上の猫憑きだったりと何とも奇妙なとっつぁんぼーやです。
家族以外でも色々と霊視できる古賀さんとか
どんだけ変な人間ばっかり集まってるんですかこの界隈は。