中央モノローグ線
- 作者: 小坂俊史
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: コミック
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東京都を横断する中央線。
山手線エリアを越えた先にある中野〜武蔵境までの8駅間。
それぞれの駅で生活する八人の女性たち。
副都心の最大規模エリアである新宿がすぐ近くにある環境ながら、
東京都内であることを感じさせない街の風景は、
例え住んでいる場所が都会であろうとも、『故郷』たりえるんだなぁと。
それぞれの街の特色ってものを登場人物の独白という形でうまく表現してますよ。
自分が住んでいるエリアとは逆方向にある街だから滅多に行くことはないけれど、
決して行けない場所ではないし、ぶらり途中下車の旅としゃれ込むのもいいかもなー。
こういう普段降りない駅だからこその新発見ってものがきっとあります。
阿佐ヶ谷の七夕祭りで出てきた巨大ハリボテ・・・
これって実際にはちゅねミクのやつが出てたってことですよね?
本作の舞台は中央線上の都内ではありますが、
例えこれが山あいの田舎であろうとも住んでしまえば慣れるもの。
ウチの地元は●●だから××だよと言った感じに
住めばこそ・通えばこそ見えてくるものもありますよね。
色々と地元の悪態を突いてみても結局は地元愛の精神を持ってしまうように。
その『地元愛』にひたすら溢れてます。
自分自身仕事上山手線上を中心として都内の各地に通勤していたりしますが、
やっぱり何ヶ月も通ってるとその地域に愛着が湧いてしまうんですよね。
それが田町であったり大塚であったり。
今となってはどこも非常に思い出深い地となっています。
住めば都、されど憧れ持つはかの都会。
作中と住む地域は違えど共感できる都会への憧れ。
武蔵境在住の学生さんが抱いていた(新宿への)憧れと言うのはよくわかりますよ。
自分も高校卒業までずっと地元通いだったので、
電車に乗る行為も一つの冒険でした。
地元を愛する一方で、地元にないものを求めてしまうんですよね。
今でこそ都内勤めなので毎日のように電車に乗ってますし、
人の多さに近所であったことの利便さを痛感してます。
秋葉原や上野をはじめとして品川・池袋・渋谷と辿ってますが、
当時は東京はとんでもなく遠いものだと思ってました。
作中で言う新宿にあたる憧れの地は柏であり松戸でしたよ。