ざっちゃん 1巻

ざっちゃん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ざっちゃん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

己の地位と名声、そして明日を賭けた七番勝負の幕開け。


主人公のざっちゃんは幸運をもたらす筈なのに、本人は至って不幸な座敷童子見習い。
妖怪学校の卒業試験首席をかけてやってきた家に同じく首席を狙う疫病神もやって来て・・・
ぱれっとの創刊間もない頃から連載はしていたものの、
当初は隔月連載だった形式上、時間がかかりましたがようやく1巻の発売です。
以前コンプエースで連載されていたHRが学園ものだったのに対し、
本作は妖怪ものなのですが、パンチの効いたパロとギャグは健在です。
どちらかと言うとちょっとブラックっぽい?
何しろ開幕からいきなり車に轢かれてるところから始まりますからね。
と言うか、最近声が変わった国民的知名度であるあの青狸ロボが妖怪だっただなんて・・・


妖怪の世界ってのもまた時代と共に進化をするもの。
そもそもの発端になったのが妖怪学校の卒業試験。
学校がある時点でも驚きですが、首席だった場合の特典ってのが・・・
スターへの特急券として鬼太郎出演権がかかってるとなれば、勝たざるを得ない戦いですよね?
『福の神科』なのに疫病神がいたり、
50年かかって云々とあるけど鬼太郎の一期目は40年前だとかってツッコミはさておき。
このあたりは時間軸の流れが違うって解釈をしておきましょう。
鬼太郎と言うと三期のOPで『お化けは死なない』と言ってるだけあって、
相当な年月を生きてるせいで暇も持て余してるんでしょうね。
いつの間にやら妖怪の里全体を巻き込んだ一大イベントになってます。
賭けの対象として・・・
えらいヤクザなお方たちですぜ。


へたな妖怪よりも個性が強烈で、なおかつ強くてたくましい人間の方々もたくさん。
舞台となっている家はかなりの豪邸なので、使用人もたくさんいるわけですが、
何で使用人やってるのかわからないくらいに強烈な方々ばっかりです。
ごっつい見た目通りの脳筋タイプ執事に、賭けで相手から根こそぎかっぱぐメイド達。
そして何と言っても人外級の実は最強なんじゃないかと思われるメイド長。
度々若いときの姿が出てくるものの、今と全然違ういわゆる『メイド』だったのが、
一体何があってこんな肝っ玉母ちゃんタイプに・・・
カラーページでのぬらりひょんと同様に、中年期に一体何があったのやら。


ちなみに、本作は初版をお勧めします。
作者本人のHPでも言及されていますが、第二版以降では修正されるであろう盛大な誤植がありますから。