ジェノサイド・プリンセス 1巻

科学VS魔法。


学校行事のキャンプ中だった勇紀の目の前に広がった光。
その先にあったのは血濡れの荒野、戦場にて返り血を浴びる少女。
タイトルの時点でも虐殺の意が込められてるし、表紙の時点で既に血濡れだし、
作中でも『死神姫』と呼ばれるくらいですから実に普通じゃありません。
反逆者がいれば当人のみならず、関わったもの全てを皆殺し。
目的のためなら自国の街一つを崩壊させても気にもかけないし、
その目的さえ果たしていれば王ですらでかしたと誉める始末。
この王家、狂いすぎてて開いた口が塞がりません。


舞台となってる世界は科学が進化した現代と違って、
エーテルと呼ばれる魔力による『魔儀』で成り立っている世界。
『死神姫』ことアリスマリスもその魔儀使いなわけですが、
強すぎる魔力ゆえに抵抗力のない人間だと近づいただけで死ぬって・・・
まさに殺戮のために生まれてきたような存在ですね。
その力を抑えるために普段は拘束衣を着用しているのもまた強烈。
コードギアスのC2も確かに拘束衣姿でしたけども、
さすがに顔までは隠してなかったもんなぁ。
それに対して見事なまでに顔まで、文字通り全身覆っちゃってます。
(髪だけは出てるけど)
言うなればFFTのものまね士?
気味悪すぎて逆に怖いわ。


魔法とか異能の力を題材にした作品など、それこそ星の数ほどあるでしょうけど、
本作はちょっと毛色が異なるかなーと。
何と言っても、主人公の勇紀には魔儀が一切通用しません。
住んでる世界が違うために、一見同じでもそもそもの身体の作りが違うようです。
どうやら現代の世界は存在そのものが幻想殺し状態のようですよ?
と言うか、この国に飛ばされたのは勇紀だけのようだけど、
この世界そのものにはあのキャンプにいた生徒全員が飛ばされたのかもしれません。
ラストに出てきた人物は勇紀のことを知っている(しかも恨みを持ってる?)みたいだし、
魔儀生物の核にされた人間もエーテル許容量が極端に少ないとか言うし。
もしかするとこれまでに倒した魔儀生物の中に他に生徒がいた可能性も・・・
少なくとも思い人である娘は絶対飛ばされてきてるんだろうなぁ。