例大祭の光と陰

さて、この度ビッグサイトに会場を移して5回目となる例大祭が開催されました。
思う存分満喫できたでしょうか?
少なくとも私は全く楽しめませんでした。
それ以前に入場制限で門前払いくらって入場すらできずに引き返してきたんですけどね・・・
東方ジャンルってのは実際人気あるし当初は都産貿で始まったのが
年々人が増加の一途を辿ってサンシャインを経てとうとうビッグサイトにまで進出。
各所で既に騒がれていることと思われますが直接的にある種の被害を被った者としてやはり思うところがあるわけで。

  • 長すぎる一般列と不明な最後尾

人が多いのはまだいいとして、一ジャンルのオンリーイベントとして
この列の長さははっきり言って異常としか言い様がありません。
一月ほど前に開催されたCOMIC1をはるかに超越する列の長さ。
列は正面の一直線だけでは足りず複数列に渡って形成され、
それでも足りなくなって横向き列まで形成されることに。
一時期は一回横断歩道渡ったところまで列が伸びており、
この列だけを撮影してコミケの列と言っても通用するのではなかろうかというレベル。
到着したときの時間が悪かったのもあるのでしょうが、
ちょうど列移動もあってか最後尾位置がまったくわけわからないことになってしまったこともありました。
最初着いた時点で前述の通り横断歩道あたりが最後尾と思ったら
そのまま延々と前へ進められて縦に並んでる列の合間を突っ切ってその向こうに空いたスペースへと列形成。
意味がわかりません。
既存の列を横に移動させるなりで対処できなかったのでしょうか。
突っ切った列と列の間もかなり狭く、これが最後尾への移動列とは思えません。
移動と重なった時間帯の悪さってのもあるかもしれませんが
この時間帯に来た人は少なからず混乱したのではないでしょうか。
よく考えたら一般列最後尾札もなかった気がします。
東と違って複数列を順番に構成するのが難しいとは言ってもちょっとないと思ったわけで。

  • 入場制限と希薄な救済措置

今回自分が断念する結果となったのがここ。
入場者数が多いのはわかります、制限かけるのもわかります。
でもカタログなしは帰れ的な措置はどうなのだろう・・・
普通に列に並んでいて途中でカタログある人『のみ』入場させますと高らかに宣言が。
まぁなくても入れるのなんてコミケくらいのもんですしそれを考えれば普通の発言に思えます。
が、ここでの問題は既に当日販売分のカタログすら完売してしまっていること。
つまりはこの時点で持ってない人はどうあっても入場不可となったわけです。
持っていても到着が遅れたために締め出されたパターンの人も多数で
会場前の階段下は一時期難民キャンプ状態となっていました。

※ここで階段前にてスタッフがその旨を説明して塞き止めています。
この後逆三角形の下まで移動することはできましたがここでもカタログ持ちがあくまで優先。
集まった人らに向かってカタログ持ってる人は掲げてください、掲げたまま動かないでください。
つまり持ってないやつはさっさと抜けて帰れと?
フリーにしろとは言いません、それでも当日販売分すらなくなってしまったのなら
代替チケットを販売する等の対処もあったと思うのですが・・・
今回の自分のように直前まで都合がつかなくて何とか行けるようになったという身にとってはあまりの仕打ちでした。

  • 適切なのかわからない当日対処

前述の通り入場すらできずに引き上げたためここからは人伝いに聞いたこと。
もともと即売会終了後に予定されていたアフターイベントの中止、
開場時間を30分延長、フリーになったのが14:30近く。
結局これは何がしたかったのだろうか。
仮に14:30時点で入ったとしてもほとんどのところで軒並み完売していて
挨拶するにも場所によっては既に撤収してしまっているところもある気が。
何か終日締め出しはアレなので最後くらいはフリーにしときましょかというように取れます。
アフター中止して延長したのはそれでもこの時点で入場した人を含んだ申し訳程度の救済措置なのかもしれませんが・・・

  • 増加する『にわか』と低下するモラル

ジャンル効果ってものは時として大変な結果を生んでしまうものです。
この東方ってジャンルはそれが特に顕著であるように思え、
いわゆる『にわか』の温床となっていると言える現実。
今では一迅社の各誌で連載されている作品があったりして
既に同人という域を超えて誰にでも簡単にその世界を目の当たりにすることが出来てしまっています。
更には某動画サービスが拍車をかけ・・・
となればそういうのを読んでちょっと気になったから行ってみようというのがいるのも必然。
それはむしろ全体的な活性化となっていいことではあるのですが何が問題かとなるとそのモラルの低さ。
例えば今回のことではありませんが去年の夏にこんなことがありました。
当日は本家で風神録が初お目見えとなったときで好評のうちに午前中で完売。
午後からは別のサークルが委託販売をする算段となっており、スペース前にはそれ待ちの人だかりが。
それを待ってるならともかく、こんなのがいました。
販売するのが風神録ではなくてその委託のものだと知るや否や
「なーんだ、違うじゃん、いらね」
的な事を言って去っていきました。
恐らく見た目的にも声も声変わりしていなさそうだったこともあり中学生だったのでしょう。
その委託物を待ってる人が大勢いる中でそれは暴言にままならず、
かなり複雑な思いでその物品を購入したという経験がありまして。
どのジャンルでもどの即売会でも全てにおいて言えることですが
あくまでサークル側も一般側も『参加者』であり、
サークル側は作って売って読んでもらうという楽しみ、
一般側は並んで買って読んで満喫するという楽しみがそれぞれあるわけで、
形は違えど参加することによって楽しむものなのです。
それがこういう個人的なエゴだけで勝手なわがままを口にしていいわけがありません。
つまりは自分たちは『お客さん』だから品物を用意しておくのは当然だろというのは論外。
ただ悲しいことに近年は若い参加者層が増えていくと共に
こういうお客さん意識の人までもが増えてしまったことが事実。
イベントにも限りません、例えば秋葉原
知っての通り秋葉原がある東京都千代田区は路上喫煙全面禁止区域で見つかれば即罰金対象となります。
これがそんなもの関係ないと言わんばかりに堂々と吸っていく輩を度々見かけるわけで。
秋葉原もイベントも観光地なんかではありません。

  • 来場者数との混雑緩和には?

これはスタッフが言っていた情報でほぼ間違いないものと思われますが、
会場内は本来の収容キャパシティの3倍を超えたそうです。
カタログは14000部刷ったとか来場者数は30000人いたとか聞き、それに対してサークル数は1000。
これも『オンリーイベントとしては』規格外のサークル数です。
それにも関わらず今回のようになってしまった事態はどのようにすれば回避できるか。
まず人は減らないだろうと思われますので現状のままだと
数回を待たずに例大祭というイベントそのものの寿命が尽きてしまうでしょう。
一番シンプルで効果的な対策としてはやはり会場の拡大化と参加サークル数の増加でしょうか。
現在コミケ以外のイベントとなると最大クラスの規模となるのがサンクリ
配置総数は2.5倍となる約2500程度(2450?)ですから
キャパギリギリにまで抑えるならば最低でもサンシャインを4ホール分使うか
あるいはビッグサイトならば東1〜3か西全部かを丸ごと使うかしないと無理ですね。
当然ながら他にも借りて使用するイベントなどいくらでもありますから現実的に難しいものがあるとは思いますが。
現実的ではない方法ならば18歳未満入場禁止にすると言う手もありますがこれは・・・
間違いなく年齢詐称は出てきますし一人一人身分証明を確認するわけにもいかないし
第一個人情報を開示しろってことだからまず無理ですかね。
もう一つあるとすれば実際に実例がある数回に分けた完全入れ替え制にしてしまうとか。
ただ、これも実例があるとは言っても都産貿クラスの話ですし
人が多すぎることからかえって混乱を招くことにもなりかねませんか。
ビッグサイトなら24耐もあったけど・・・

  • 総括

とにかく大量の課題を残すこととなった今回。
満員御礼も過剰すぎるほどである意味盛況、ある意味詰め込みすぎ。
人によってはよかったと言うかもしれませんが
やはり人を捌く観点から見れば失敗だったと言われても仕方ないのかなと思ってしまいます。
とは言えスタッフも人です。
当然判断ミスもすれば失敗もします。
そういうのをもし見かけた場合、フォローしてあげるのも参加者としての役割ではないでしょうか。
己の欲しいものに目がいってしまう気持ちはわかりますが
後先考えない自分勝手な行動で多大な迷惑を被る人もいるのです。
たまにはちょっとのんびりと、周りを見渡してみてはどうでしょうか。
もし困っている人がいたらそっと手を差し伸べることで救われる人もいます。
何はともあれイベントの参加者としての在り方を改めて考えさせられる今回でした。


続きというか捕捉のようなもの