怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る

怪談と踊ろう そしてあなたは階段で踊る (シリウスコミックス) (シリウスKC)

怪談と踊ろう そしてあなたは階段で踊る (シリウスコミックス) (シリウスKC)

噂は飛躍し、作り話は現実となる。


中学生という心身ともに不安定な時期、世の中へ対しての軽い気持ちで思いついた反抗。
自分たちで祟りを作る。
それは成功し、学校中に知れ渡ることになるがその呪いは一つの事件をきっかけに現実となる。
僕達はなんてものを創り出してしまったのか。


一人の女生徒の転落事故により広がる波紋。
果たしてそれは事件か事故か、はたまた呪いか。
誰かもわからぬ犯人と容疑者の証言。
元を創り出してしまった少年たちと第一容疑者となる女生徒との当日のアリバイを巡る心理戦。
互いの喋るそれは嘘であり、真であり。
その嘘を嘘によって見抜いたことによって得られた真実は事の真相を更なる深みへと誘い。


事件の被害者となった女生徒が復帰したときに明らかとなる真実。
それは自らを被害者とすることで恨みを持つ相手を貶める計画的犯行。
否、もはやそれは自らを生贄に捧げることによって成立した紛れもなき呪い。
現実として成立してしまったそれは少年たちの思惑通り定番として語り継がれる怪談となるでしょう。
しかし創り出してしまった3人にとってのそれは一生背負わなければならない業となる。


独り立ちしてしまった呪いの事の重大さを実感しながら塾講習があると去った二人。
それはただの責任逃れかそれともそうしなければ己が潰されてしまうが故の逃避か。
これもまた呪いを創り出してしまったが故に創った本人も既に呪われているということでしょうか。


何と言うか、展開に演出にと中学生日記火曜サスペンス劇場を足して割ったようなお話。
本当に火曜サスペンスで2時間ドラマとして見てみたい気がします。
CM間に入る『デデデッデデデッデーデー』のあのテーマ曲が絶対マッチしますから。