もっけ 7巻

もっけ(7) (アフタヌーンKC)

もっけ(7) (アフタヌーンKC)

新生活からも幾許か、それぞれは今も変わらぬ今なのです。


6巻で進学という大きな節目を迎え、何かが変わったようで変わっていないようないつも通りの淡々とした展開。
伝承に関する話やそれぞれの心理描写が独特でじっくり読もうとすると文学作品であるかのような深さを感じます。
非常にクールで冷めた性格の御崎さんの過去のトラウマが明らかになったりそれと同時にそれを克服したり。
目の前で父親が殺され、葬式では地方特有の儀式でしょうか。
その臓器を皆が喰らい、自分も食わされると言う出来事。
あとは自分の心の持ち次第・・・か。
一つ成長したけどより一層人を寄せ付けなくなった印象が。
果たして心を開いて打ち解けてくれる日は来るのでしょうか。


己が弱さを恨み、力を欲する。
その心の隙を突かれて憑かれる。
健全な力は健全な身体に宿るとは言ったものです。
真の強さとはまずは己が弱さを知ることから始まると言ったところでしょうか。
瑞生は柔道という道で一つ成長しました。


静流も友達のためを思うが故に今まで身内にしか言わなかった見える能力について告白し。
果たしてそれは余計なお節介だったのかそれとも大いなる一歩なのか。
今までひた隠しにしてきたことをはじめて打ち明けるというのもこれまた一つの強さ。


淡々とした流れの中にも確実な時間の流れと成長していく姿。
妖怪漫画ではあるものの、それを通して人の心理描写がよく現れているかと思います。