密着ラーメン店24時 『めしばな刑事タチバナ』 9巻

刑事と言う職業上、檀家にはグレーな業界に足を突っ込んでいるのも居るもの。
そんな中、特に交流が深いであろう二人がニアミスでVシネ展開寸前となり・・・
今期テレ東にて実写ドラマの放送開始直前の時期ということもあり、
前回から2ヶ月の早い時期にて最新刊がリリースされた本作。
テレ東といえば昨年孤独のグルメを二期に渡って放送し、
反響の大きいままに好評のまま終了しましたが、
それに続くことができるのか否かが楽しみでもあり、
怖くもあるところですが、
そちらについては実際に放送されるまでのお楽しみですね。
原作サイドのこちらは今回はラーメンチェーン店の話題を中心として、
名前はよく聞くけど意外と食べたことの無い東京土産や、
メニューには書いてあるけど実際にそうすることは無いであろう、
サブウェイのおまかせ注文テクニック、
立花さえもドン引きするほどの変態じみたこだわりを持つ、
残念イケメンの新キャラを交えた食パン等の話題と盛りだくさん。

相変わらず外食産業からコンビニで買える商品まで、
全てにおいて身近な話題なのでことごとくがストライクですね。
こんな風に語れるレベルだと毎日の食生活も楽しいだろうなー。


裏社会に生きる男たちによるラーメン論争。
それなりのキャリアと食歴、そしてこだわり抜いた探究心により、
常に情報交換する檀家を何人も持っている立花。
その中でも牛丼チェーンをメインとした丼もの談義では、
振り込め詐欺犯だった児玉と、
天一から始まったラーメン店の話題では右に出るものなしの、
言動からして明らかに法に触れるような仕事をしている竹原さんの、
グレーな男二人が今回まさかの関連性を持つようになるとは思わなんだ。
追う者追われる者となんともアウトレイジ的な状況ですが、
互いにニアミスしつつ立花とラーメン店談義に突入するあたりが、
いかにもらしいノリになってますね。
今回のエピソードは児玉がはじめてラーメン店について言及したりなど、
なかなかに興味深いものになってました。
勿論話題の中心となっているラーメンチェーン店については言わずもがな。
当初は天一の話題ばっかりだったのに、
前々回ではくるまやラーメン、
今回に至ってはラーメンショップにどさん子ラーメンと、
店のチョイスが更に万人向けになってきてるもんだから、
何気なく店舗があるな程度にしか思ってなかったところに行きたくなるじゃないか。
でもこういう店って意識すると逆に見付からなかったりしてもどかしい。
最近じゃやれ家系だの二郎系だのが主流のように言われる風潮があるけども、
昔ながらのチェーンもまだまだ捨てたものじゃないのです。

今なお永らえてるのは着実な人気に支えられていることの実証でもありますからね。
児玉の最近のラーメンはエンタメ化してきてるってのもわかる気がする。

しかし二郎が60年代創業とか既に40年以上の歴史があることには驚いたわ。


小麦の織り成す魅力を貴方に。
今回のメインテーマがラーメンであることは事実ですが、
それ以外のエピソードを統合してもう一つのメインとも言えるのがパン。
カレーパンにサブウェイのサンドイッチとどちらもパン系ですし、
何と言っても新キャラを交えた食パン談義が強烈。

食パンまでブランドにこだわったことなんて全くなかったけど、
改めて聞いてみると確かに食べたことあるものだけでもかなりの種類があるし、
耳まで柔らかいものとか意外とピンキリ。
これだけ種類があっても揃ってトーストにすると、
カリふわに仕上がるんだから総じて完成度高いよなぁ。
個人的にはトーストにしなくても全然いけると思ってますがね。
元々焼いてるものをまた焼かなくても十分だろと言っても、
いまいち理解されない気がする。
このへんは自分が美味しいと思う食べ方をすればいいレベルですか。
しかしこのくだりで初登場したトミーが色んな意味でヤバい。

永遠の求道者って感じだけど何かにこだわったかと思えば、
何でこだわったか理由を忘れてたり、
次に登場したらそのこだわりもどうでもいいものになってて、
新しいこだわりをさっそく見出していたり。
毎回話が全く噛み合わないんだから、そりゃ立花も付き合ってて疲れるだろうなぁ・・・
カレーの早川さんの回と言い、変態じみたこだわり持った人が多すぎです。