侵食される心と鋏 『断裁分離のクライムエッジ』 7巻

醜聞からの刺客として送り込まれた受注製品の三人を全て撃退した切たち。
しばしの日常が訪れる間もなく殺人ゲームに新たに名乗りを挙げたのは・・・
異常者たちの異常な道具を使った異常な殺し合いが描かれる本作。
来月からはアニメ版も放送開始されることもあって、
ドラマCD付き限定版が併せて発売となった最新刊。
何気にアニメ化率の高いアライブ作品なこともあって、
放送直前のタイミングで発売と実にいいタイミングです。
今回は意外な人物がまさかの参戦を果たしたり、
切の身にも大きな変化が起こり始めたりと、
終始気が抜けないハイスピードの展開が繰り広げられています。

久しぶりに登場したエミリーがロリ枠としても、
戦闘枠としても活躍してくれたのが喜ばしいことです。
新たな敵と試練を前に、どう立ち向かってゆくのか、
徐々に殺人衝動に侵食されてきている切は平常を保てるのか、
見ていて熱くなるものとは違う、
逆に寒気を覚える変則バトルものの今後が、
アニメ版と併せて気になるところですね。


プレ・アニメ版とも言うべき声で生きるキャラ達。
本編はサイコホラーの色が濃くなってきたところだけれども、
限定版のドラマCDは貴重な日常パートでコメディ色が強く、
キャラの雰囲気を声で掴むには最適です。
声は大方イメージ通りで特に違和感は無かったかなと。
これが動いてバトルシーンになるとまた違った印象を持つことになるのかも。
CDには登場してない教授とか魔女はどんな感じになるのかなー。
全体的に他のラインナップが強力すぎて地味な存在になってるけど、
しっかりと視聴して応援していければなと思います。
放送時間は今期で言うところのたまこまーけっと枠ですしね。
本編での日常パートは巻末描き下ろしにて補完されてます。
しかも貴重な温泉回ときたもんだ。
三段ぶち抜きのかしこさんとか、
眼鏡無くてわたわたする病子さんもいいんだけど、
幼さ故の羞恥心の無さで堂々と裸を晒すエミリーさんさすがです。


彼の人物は、そして表舞台へと躍り出る。
当面の敵として出てきていた受注製品三人を倒したことで、
バトルものならさっそく次の敵が立ちはだかるところですが、
名乗りを挙げたのがまさかの「魔女」本人。

いつかは倒すべきラスボス的な存在としてこれまで出てきていたけれども、
直接戦闘に参加することはないと思っていただけにこれは意外。
しかも魔女自身も受注製品とは違う本物の「権利者」みたいですし。
全く詳細不明な「殺害遺品」もまた得体が知れない分気味が悪く、
権利者特有の異常性が露骨になってきたこともあって、
嗚呼、やっぱりこいつ「魔女」だなと。
今回の内容を見る限り、略奪系の能力っぽいけどどうなんだろう。
遺品がコインだったり、「買い取った」って発言とかあるところからすると、
オリジナルの殺人鬼は金で命の売買でもしてたんでしょうか。
そんな魔女の手によって祝ちゃんもピンチになったりするわけですが、
自分の髪で拘束されてる姿が非常にエロい。

性的描写は無くて断髪と言う名の暴力だけど、
これもまた一つの陵辱って言えるんだろうなぁ・・・


失われた刃と抑えきれない衝動。
血筋は争えないこともあって、
今までもアレなことに何度もなってた切だけど、
輪をかけて今回は相当にヤバい。
断髪衝動と殺人衝動が入り混じってもうわけがわからなくなってますよ。
しかも夏休みで帰省中なもんだから祝も居ない、
代わりに手を出したのが実の妹という・・・
ぃゃさすがに殺したりはしないけども、時間の問題な気がしてきた。
この妹ちゃん、日常とかけ離れたことに首を突っ込みすぎですし、
再登場キャラの出番が突然増えるのは死亡フラグな気がしてならない。

まぁそれはエミリーにも同じ事が言えますがね・・・
魔女の影響を受けてクライムエッジも大変なことになっちゃってますしね。
状況打破のために「女王」の力が作用するのはいい、
でもその描写は完全にホラーな罠。

いちいち怖いんですよまったく。