恐怖!犬神家の雑煮!? 『JA〜女子によるアグリカルチャー〜』 5巻
JA~女子によるアグリカルチャー~ (5) (カドカワコミックス・エース)
- 作者: 鳴見なる,唐花見コウ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: コミック
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暴風雨によって発生した土砂崩れで事態は暗礁へと乗り上げ・・・
銀の匙がアニメ化決定するなど、
ますますブームの風向きが強くなってきた農業もの。
信州を舞台としたこちらの作品も負けずに盛り上がっています。
前回ラストのエピソードが凄まじく死亡フラグ漂う引きを見せていましたが、
悲しいこともありながら楽しいことを描くのが本作の本質なだけあって、
安否が気になってたお婆ちゃんが無事だったことに、まずは一安心です。
しかして土砂崩れで壊滅的打撃を被った蕎麦畑をどう盛り返すか、
開幕から泣かせるエピソードでハートをがっちり持ってかれました。
他にも繭さんの初恋や地方ならではのわらしべ長者に挑戦など、
コメディ色溢れる展開を繰り広げながらも、
終盤は野菜泥棒騒ぎでまたもや不穏な空気を漂わせたりと、
またもや続きが気になる引きで終わらせるという素晴らしくSっ気溢れる寸止め感。
蕎麦畑のくだりが結局いい話で終わってくれたので、
今回も行動の裏に隠された真意があるとは思いたいところですが、
見た目と挙動不審っぷりが相当にアレすぎて、
後編では一波乱起こりそうですね。
いつも以上に出番が多くても不憫な役どころは変わらない!?
全体的に今回は初恋エピソードとか、
誕生日のサプライズプレゼントでわらしべ長者のエピソードなど、
次女の繭さんに焦点が当たってる毛色が強いのですが、
出番の多さイコール扱いの良さとは限らないあたり、
本作における立ち位置をしっかりとキープしてくれてますね。
表紙でもメインを張ってるくらいだから、
さぞかしいい扱いをされるのかと思ったらとんでもない。
ぃゃ、不憫こそ繭さんの最も本領発揮するところですから、
そういう意味では酷い扱いってわけではないんですがね。
でもやっぱり全体的に不憫なことになってしまうあたりが可愛くもあったり。
不憫萌え属性持ちには本当にたまらないです。
その初恋がどういう結末に行き着くのか、
涙目になりながらも喜ぶプレゼントとは一体何なのか、
全ては読めば明らかになります。
どちらもしっかりとオチが付いてるあたりはさすがですね。
すごく薄幸キャラだけど幸あれ、ぃゃマジで。
楽しいことばかりではない、時には恐怖体験も・・・
いいところを挙げて興味を持たせるのは当然ですが、
一方で怖い一面を所々で覗かせていたりもします。
前回から続く蕎麦畑のエピソードも天災という、
人間の力ではどうしようもない事態が襲い掛かってきますし、
逆に今回ラストのエピソードでは人の手によって作物が荒らされる、
人災をも浮き彫りにしています。
もうこれであとは獣害があったら完璧じゃなかろうか。
長野では昨年市街地とか駅ホームに熊が出たってニュースもありましたし。
しかし今回最も怖かったのが無知故に危険を侵す観光客ですね。
私有地に無断で立ち入って作物を盗むのはまだ可愛い方、
問題は知識も無いのに適当に毒キノコをも収穫してしまっていること。
もし誰も気付かずに持ち帰って食べてしまった日にゃ、
翌日の三面記事を賑わすこと間違いないですって。
それを諌める綾ちゃんも完全にホラー入ってるし・・・
ぃゃ本当に無知って怖いね。
それとはまた違ったシュールさがあるのが巻末の番外編。
家庭菜園とかやってる人ならわかると思いますが、
実際に作ると売ってるような形のいいものばかりではなくて、
中にはとんでもない形の作物が取れてしまうことだってあります。
そう、某ヱヴァのリリスみたいな大根が収穫されることさえ・・・
うん、まず調理前の時点で写真を投稿すれば地方紙を賑わすこと請け合いですね。
見た目からして相当にアレな代物を調理した結果がこれだよ。
何かシュールを通り越してセクシーにさえ見えてきたわ。
食べたいとは思わんけど・・・