真の敵の出現、そして少年は覚醒する 『あやかし古書庫と少女の魅宝』 2巻
- 作者: ドリヤス工場
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2013/02/27
- メディア: コミック
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今までと違う相手に苦戦する中、真の敵が姿を現し・・・
パッと見ではどこをどう見ても
水木しげるワールドと勘違いしてしまうほど精巧な絵柄の再現度を誇りつつ、
実際の内容は往年のジャンプ作品もかくやと言うくらいに、
ガチの能力バトルものだったりする本作。
その絵柄からもたらされる先天的なイメージを、
いい意味でぶち壊して話題となりましたが、
今回も王道的に熱く、どんでん返しの展開が連続で、
最後まで気を抜くことができずに一気に読み切ってしまいましたよ。
見た目だけの出オチだと思ってたら、
意外なしっぺ返しとなる普通に良作でした。
これでもかってくらい詰め込まれたバトルものの要素は、
往年のジャンプ作品好きであれば共感できるものがあるのではないでしょうか。
ヒロインの裸も出てくるし、お色気方面までカバーしてくる隙の無さもありますしね。
まぁ水木絵でお色気をお色気と取れるかはその人次第になりそうですが。
本作は今回で完結となり、今後の作品も本作のようなノリを踏襲するのか、
それとも全く違った独自の色を持たせてゆくのかはわかりませんが、
次回作がリリースされたときには要注目ですね。
昨日の敵は今日の・・・
今回の展開で何が熱いって、全部そうだと言いたいところですが、
特にラストバトルへと向かうくだりは熱いです。
主人公とヒロインの対立、
戦局の構図を一変させるラスボスの登場、
囚われの身となってしまうヒロイン、
能力強化でパワーアップする主人公、
そして最終決戦。
能力バトルものってのは、王道だからこそ燃えるんですよ。
この手の作品は変に設定とか展開をひねる必要なんてないんです、
全力全開の直球で熱意と魂を伝えることが重要なんです。
王道ながらもしっかりと主人公の能力特性を活かした戦い方をしていて、
意外と細かく作り込まれているところも注目ですね。
相手の能力をどんな能力でも「一度だけ」使用できるのが、
主人公の能力であり、如何なタイミングでそれを用いて勝利するかが、
本作のバトルシーンにおける見所だったわけですが、
終盤で使用制限回数が増えるってのが地味に盛り上がるんですよ。
今まで倒してきたライバルが勢揃いして共闘し、
全ての能力を駆使して戦いに挑むっていいじゃないですか。
能力同様に出番も一度きりだと思われたキャラが再登場って流れは、
色々と高まりますって本当に。
尤も、描き下ろしのおまけエピソードでは制限が無くなっちゃってますが・・・
ゲームのシステムとしてはよくあるパターンですね。
そのあたりも含めて本作が一発ネタではないことをよく著してます。
以外?それとも王道?
敵の協会が「魅宝」がどんなものかわかっている上で狙ってきているし、
そのまま協会との戦いが激化していくのかと思ったら、
突如として現れたラスボスの登場でもって構図が一変するのも、
RPGとかでよくあるパターンだけど、
そういう展開になりそうにない絵柄と雰囲気によるギャップは、
なかなかに強烈なものがありますよ。
ヒロインの兄ってところがまたド直球だし。
実際、登場したところから「魅宝」の正体やら動き出す野望やらと、
話が大きく動き出して一気にヒートアップしてきますからね。
新キャラに新能力にとたくさん登場してラストバトルを演出してくれます。
しかし絵柄が水木風だから萌え系統とは全く無縁のはずなのに、
慣れてくると段々ヒロイン勢が普通に可愛く見えてきてしまう罠。
ポラリスとか七星の妹の十六夜とか割りといけてるんじゃなかろうか。
中神先輩も美人に見えるレベルにまでは本作の世界に染まってます。
まぁ可愛さってものは見てくれだけじゃないんですよ。
そんな先輩ですが、おまけエピソードではまさかの・・・
ぅゎーそう来るかーって感じで最後の最後でしてやられました。
本編でもそれらしいやり取りはあったりするのだけれども、
それをここに持ってくるかって感じでね。