家族の絆は本能に勝ることができるのか!? 『きんぱつへきがん関西版』 1巻

10年間行方不明だった兄との再会は亡くなっていたそれとの再会だった。
兄の忘れ形見である金髪碧眼の一人娘シャルロットの身請け人となり、
共に暮らしてゆくことを決意する次男(煎餅屋跡取り)と三男(ニート)。
しかしこの弟二人、重度のロリコンであった・・・

背景的なものを見ると相当に重いものがあって、
基本的な流れも家族の絆を描いている人情話ではあるものの、
男二人が共にロリコンであるという一点により、
コメディ要素の強い内容となっている本作。
理性と本能の板挟みに遭いつつも家族になろうと奮闘する男二人と、
そんな二人の性癖など知ることもなく無垢な笑顔を向ける娘一人。
とんでもないずれを持ちながらも微妙なバランスで成り立つ関係が、
楽しくもあり際どくもあり。
果たして立派に育て上げることができるのか、
微妙な関係を経て自身も成長することができるのか、
そして本当の家族となることができるのか。

血縁関係が無いのであれば、場合によっては・・・
そういう一面も持ち合わせているあたり、
何ともリアルプリンセスメーカーな展開をも期待させてくれますね。
羨ましくもアウトなシーンを多々織り交ぜた笑いと涙に溢れる一作です。


静まれ本能、自制せよエロス。
親を亡くして天涯孤独となった子を育てる話は珍しくもないし、
むしろ切ない話や人情話として鉄板だとも言える部類です。
しかして親代わりとなった二人が揃ってロリコンの変態だなんて設定は、
エロゲのシナリオくらいでしか見る事ができませんって。
そんな変態兄弟ですが、確かにロリコンの名に恥じぬ紳士っぷり。
いきなりクンカクンカだのprprだの宣言する時点からしてヤバいです。

初日の夜からして寝顔を覗こうとしたり寝息を録音しようとしたり、
性癖がバレたらもう一緒に暮らせへんって家飛び出されてもおかしくないわ。
まぁ寝顔を見るって願望は割りとすぐに叶う時がやって来るんですけどね。
一人じゃ怖くて眠れないって言うから一緒に寝るのはわかります。
わかりますよ?
親子なら普通にあってもおかしくない構図ですからね。
が、実際にそれを見るとどうしてこんなにも犯罪チックに見えてしまうんだろう・・・

下半身は元気なことになってるからアウトなのは間違いない。
学校に通うようになったときも最初だから引率で行くことを口実に、
内心ではまったく、小学生は最高だぜ!なことを考えてたりして、
そのうち警察に逮捕されないか本気で心配になってきますよ。
と、どこをどう見ても犯罪じみててアウトなシチュエーションなのですが、
しっかりと家族としての絆を育んでいて、
ただの変態ギャグに留まらずに人情話へと昇華しているのがすごいところ。
変態なりに自制しようとして本能と戦ってるし、
特に三男の三太が少しずつ人間的に成長しようとしているところが窺えます。
「娘」として想うからこそロリコン魂を押さえ付けるために思わず避けてしまい、
そこからの誠意を見せるくだりは格好悪いけど、
一介のニートから社会復帰へ一歩踏み出したようにも見えますからね。

基本は変態だからこういうシーンには思わずくるものがありますよ。
社交性とかも悪くないから単純に働いてないってだけなんだろうなぁ。
学校の先生にも惚れられちゃったみたいだし、
これからは大人の女性からの猛アピールと戦う様子が見れそうですね。


守りたい、その笑顔。
ロリコン兄弟が養うことになった娘・シャルロット。
これがまたその手の属性を鷲掴みにするような、
あらゆるツボなポイントを有していて、
その手の性癖を持っていないとしても目を奪われること請け合い。
タイトルでも指している通りの金髪碧眼ロリって見た目もさることながら、
日本生まれの日本育ちだから英語とかは全く喋れず、口を開けば関西弁。

見た目と言葉遣いのギャップがたまらんのですよ。
ぅーむ、その手の性癖が無くてもヤバいぞこれは。
ガチロリコンの変態兄弟はよく手を出さないで我慢できてるよ。
小5にしてこれなんだから、将来間違いなく美人になるなぁ。
そして未だ汚れを知らない純粋さ故に、
無垢なる行動の数々がまたロリコン魂を悩ましく揺さぶってくれます。
一人が怖いから一緒に寝たいなんて序の口、
死んだ父親と一緒にお風呂に入ってたからと、
躊躇無く服を脱いで裸になろうとするんだから危険なんてレベルじゃない。
シャルさん、それは肉食獣の檻に餌を抱えて飛び込むようなものですよ・・・
願わくば、何事にも染まることなく無事に育ちますように。