たとえドMと呼ばれても 『めしばな刑事タチバナ』 8巻

適度にグータラ業務をこなしながらも仕事に勤しむ刑事課面々。
張り込み操作でもいつもの食事談義が繰り広げられ・・・
今も昔もドラマでは馴染みのジャンルである刑事もの。
そこにB級グルメ要素を付与したら、
何もかもが身近なものである上に、
普通のグルメものと異なって自分で作るものではなくて、
チェーン店のメニューだのコンビニ商品だの、
今すぐにでも手が届く代物の話ばかりなので、
とんでもなく親近感沸きまくり。
そんな本作もあっという間に8巻目。
掲載誌が週刊誌ともなればさすがに刊行ペースが早いですね。
しかし常に入れ替わりの激しい飲食業界ですから、
この手の話題は本当に尽きないなぁ。
加えて今回は個人的にツボなエピソードばかりだったので、
今まで以上に感情移入度が半端じゃありませんでしたよ。
副署長と韮沢課長の出番は全く無かったけれども、
アイス大好き志波さんが実は辛いものも好きだったりとか、
前回から登場した中沢君が大活躍したりとか、
意外な一面が色々と見受けられる場面も多々見受けられるため、
署内の人間関係とかにも注目だったりする今回です。
ちなみに自分も納豆はご飯にかけずにおかずとしていただく派です。

だってご飯にかけたらそれで一杯終わっちゃうからね。
気が付くともう若くない歳だからか、
自分の食の嗜好も立花に近付いて来た気がしてなりません。


辛いは痛い、そして次第に快楽へ。
今回収録されているエピソードの中でも、
比率にして半分を占めるほど集中的に取り上げられており、
名実共にメインとなるのが何と言っても辛いもの。
前半にナンカレーの話で軽くジャブを入れてきたかと思ったら、
CoCo壱のカレールー追加のテクニックでカレーの話題が続き、
十年近く根強い人気を誇る激辛メニューのエピソードで本番へと突入。

締めは中華の鉄人こと陳健一の店の麻婆豆腐が出てきたりして、
何から何まで辛いもの好きにとっては直球ストライクすぎます。
自分もカラムーチョ程度では全然辛いとは思わないし、
激辛マニアも平然と食べたりはできる程度ではありますからね。

LEE45倍、赤と黄のペヤング、すこびる辛麺、辛辛魚と、
作中に登場したものも大半は食べたりしてるので、
ぁーあれは確かに辛かったねーとか、美味かったねーとか、
味がフラッシュバックしてきて考えただけで口の中が痛いです。
直近では紅の刺激も食べたし、残るはレッドショックかなって状態。

陳麻婆豆腐と中本の北極ラーメンは食べたこと無いから今度行ってみよう。
(中本は常に行列ができてるのがネックだけど)
そして本作では取り上げられていなかったけれども、
激辛で個人的に忘れられないのが米国製の激辛ポテトチップス「デスレイン」。
パッケージからしてドクロの絵があしらわれていたり、
旨味の無い辛味ばかりといういかにもなアメリカンなテイスト溢れる代物だけど、
あの辛さをはじめて食べた時の衝撃は忘れません。


辛くなくても話は熱い。
半分は辛いもののエピソードが占めているとは言え、
勿論それ以外についてものめり込める話が多かったですね。
いきなりさくら水産のランチメニューときたもんだ。
別にここに限った話でもないけれども、
意外と居酒屋チェーンでの昼食って、
夜とは全く違ったものが出てきて侮れませんよね。
普通にカレーが出てくるようなところがあったりもするし。
個人的には土風炉がけっこう好きでした。
蕎麦でさっぱりいくもよし、牛タンとか鶏みぞれでがっつりいくもよしと、
昼に通い詰めた時期もあったもんですよ。
そしてもう一つツボだったのが炭酸コーヒーの回。

割と散々な評判しか聞かないエスプレッソーダだったけど、
意外とありだと思ったんだけどなー。
むしろ炭酸コーヒーと言うよりも、
ちょっとアレな飲み物ってことに魅かれたんですけどね。
海外からの輸入飲料にハマった時期もあったもんです。
それは話が逸れるのでさておき、ジャズインとか懐かしすぎる。
「あんたはケチや」ってCMのフレーズが速攻脳内再生されましたよ。