生きて帰るんだ、必ず 『BTOOOM!』 10巻

BTOOOM! 10 (BUNCH COMICS)

BTOOOM! 10 (BUNCH COMICS)

織田とギリギリのラインで命と主導権の駆け引きを行っていた坂本。
そこへBIMの起動妨害を行いながら近付く人影が一人・・・
前期ではアニメ版も放送された本作。
いよいよ2桁巻数突入となる今回は、
これまで何度も怪しい素振りを見せていた飯田先輩の真意が明らかとなり、
本当に倒すべき存在が他の参加者ではないことを知った坂本が、
生きて帰ったその先をも見据えた強い意志と共に立ち上がる内容となっており、
世界ランカーの実力は伊達ではない活躍ぶりを見せてくれています。

元々ゲームのコントローラーを壁にめり込むくらいの勢いで投げつけたり、
本当にこいつニートかよ?ってくらいに高すぎる身体能力は、
ツッコミ要素として存在していましたが、
今までに輪をかけて主人公補正がすごいことになってますね。
実は誰も見てない裏でトレーニングしてるとしか思えんわ。
と、ツッコミどころはさておき、
真の敵に一矢報いるために行動を開始した坂本たちが、
バカげた殺人ゲームそのものを破綻させるために、
如何にして他のプレイヤーたちと渡り合ってゆくのか、
殺し合いとはまた違った駆け引きに注目です。

勿論(今回あんまり出番ないけど)ヒミコのお色気にもね。


真実は残酷なる現実をもって知らされる。
故意にトラブルを発生させてまで島にやって来た飯田先輩。
やはり殺人ゲームには同意しかねる考えを持っていて、
何とかして潰すことができないか内部から機会を窺ってました。

まぁ普通の考えを持っていれば昔のコロッセオとかじゃあるまいし、
人道的にも許されるものではないので、
どこかで歯止めがかかるものではあるのですけれどもね。
一方で世の中は普通の考えじゃない人が動かしている一面があるのもまた事実。
果たして勝利するのは正義を振りかざす悪なのか、
それとも悪に仕立て上げられた一般人なのか。
明確な敵ができたことで関係図が大きく変わってきました。
しかし黒幕側が節穴ならまだしも、
某名人そっくりな見た目(と言うかアニメ版では実際に名人が声を充てていた)ながらも、
こんな企画を立ち上げた狂気性を持った鷹嘴が、
獅子身中の虫に気付いてないことはなさそうなんですよね。
飯田先輩も実は相当な綱渡りをしてますよ。
最悪ゲームに参加させられるか事故に見せかけて消されそう・・・
それにしても島現地から戻ってきた作業報酬が3時間の仮眠とか、
色んな意味でブラックすぎるにも程があるだろ。


帰ってやり直すために、馬鹿げた殺し合いを終わらせるために。
想いの力があるから強くなれる。
坂本が身体的のみならず精神的にも覚醒する今回。
織田クラスの相手でもなければ完全に無双状態に突入してしまいました。
これまでに何度も交戦してきた吉良と再び相交えることになるのはいいとして、
そのいずれでも死に掛けてたのと違って、
今回は完全に一方的になってるあたりに坂本の成長度合いが窺えます。
吉良が交戦中も完全に飲まれて恐怖を抱いてしまうくらいだったから、
もうこのガキじゃ全然相手にならないだろうなぁ・・・

大人しく坂本に従うとも思えないんだけど、今後どうするんだろう。
仲間に引き入れても伊達と同じくらい裏切りそうで信用できないし。