決戦!プリキュアvsプリキュア 『SMILES AND TEARS Vol.02』

  • タイトル:SMILES AND TEARS Vol.02
  • サークル:MIX-ISM

ダークデコルをはめ込んでしまったことで、
バッドエナジーに取り込まれてキュアダークへと変貌してしまったみゆき。
彼女を元に戻すべく戦いを挑んだ四人だったが・・・
夏の本ではとんでもない引きで新刊の登場が待ち遠しかったわけですが、
冬の新刊でいよいよ後半となる本作が登場しました。
本編ではバッドエンドプリキュアなるものが登場して話題になっている現在、
真っ先に本作が思い浮かんだくらい印象に残る濃さで、
悪堕ち主人公とのバトルとかひたすらに熱くてたまりません。

ぃゃ、これは元ネタがわからない、見てないからって理由だけで、
敬遠してしまうにはあまりにも惜しいですよ。
かつてまだプリキュアが二人だった頃に、
コンセプトは女の子向けヒーローだとどこかで見た覚えがあるのですが、
まさに本作はヒーローものの最終決戦さながらのクライマックスぶりに、
思わず読む手が震えるほどの衝撃が走りましたね。
犬威作品ではMURDER PRINCESSやRATMANでも、
ふんだんに盛り込まれていた悪堕ちキャラや、
萌えの概念を脱ぎ捨てたガチバトルの要素。
全ての集大成とも言えるくらいに凄まじい内容なので、
バトルものが好きであれば決して損することはありませんよ。


戦いを通じて改めて確かめ合う絆。
まず読んで驚くのは、本当にプリキュア本なのか疑いたくなるほどに、
最初から最後までほぼ全編通して描かれるバトルシーン率の高さ。
飛び交う必殺技、ボロボロの満身創痍になりながらも戦う姿。
そして悪堕ちして加減が無くなったことで、
圧倒的な強さを誇る敵へと転じてしまった主人公に、
戦いながらも必死で心に訴えかけようとする仲間たち。
みゆきさんが強すぎて勝つための活路が全く見出せない絶望感が漂い、
一人、また一人とやられていく中で、
闇の中に残っているであろう光に訴えかける流れは、
王道だからこそ盛り上がるってものです。

これほどまでにバトルもののクライマックス要素が詰め込まれていると、
熱くならないわけがありませんって。
みんなやられた状況でも笑顔を忘れないピースと、
完全に拳で語りに入ってるサニーの二人は特に熱くて泣けましたわ。
もうこれが本編の最終回でもいいんじゃね?