1.5次創作でもDEBANちゃん出番ですよ! 『SAO:シリカ・エディション』

それは、攻略組による最前線では描かれなかった一人の少女の物語・・・
SAOのキャラ人気は何だかんだでアスナさんと直葉の二強状態ですが、
一定の需要層からは熱烈プッシュされているであろう
(むしろそうであると信じてる)、
DEBANちゃんことシリカさんを中心とした番外編が収録された本作。
原作者自ら手掛けているということもあって、
本編では描かれていないながらも間違いなく公式の話となるため、
SAOファンにシリカファンの両方からの需要に応えること請け合いです。
片やコミックサイドではSAOクリア達成時のエピソードが、
もう片やノベルサイドでは現在放送中のアニメ版より少し先になる
ALOでのその後の話がそれぞれ描かれていて、
ほとんどゲストキャラとしてしかDEBANが無かった分を補うが如く、
静かに染み入る内容となっています。
戦闘シーンとかがあったりするわけでもないので、
決して派手ではないけどこういう過ごし方をするのもありですよね。
これを機に二次創作でもアスナさん無双な状態に切り込んでくれないかなぁ。
切に願う。


現実世界と仮想世界の狭間にて。
両エピソードとも共通しているのが異なる二つの世界のギャップ。
ネトゲにハマりすぎるとたまーに思考が混在してしまう症状に陥ることがありますが、
電子データ上のやり取りでも思い入れってものはできるもの。
SAOクリアによるデスゲームからの解放は、
2年間を共に過ごした「相方」との別れでもあり、
喜ばしいことでも名残惜しいと感じるのは当然のことです。
結果的にはキリトさんがユイと再会できたようにALOで再会するけども、
別れを知ってこその再会への誓いってくだりは問答無用の泣き展開ですね。
こういう悲しみを知ってこそ前進する話に弱いなー。
最前線では死線の一騎打ちが行われてクリア達成した瞬間も、
実際こんな風に静かなログアウトの時を迎えたんでしょうね。
そ〜どあ〜と☆おんらいん。のニシダさんみたいに、
醤油を使わないうちに終了ってがっかりな終わり方をしたプレイヤーも中にはいたかもしれませんが・・・
片やノベル編では現実の「綾野珪子」としての自分と、
仮想の「シリカ」としての自分との間で揺れ動く話で、
例えゲームの中でも人と人が繋がって得た交友関係は本物なんだなと。
悩みを察知した上で的確な言葉で救いの手を差し伸べるキリトさんパねぇっす。
しかしこちらのエピソードは大晦日の話ということは、
いわゆる「我々」が冬コミ有明に突貫している頃に、
さりげなくリア充フラグを立ててる話であると考えてしまうと・・・Oh...