最狂(性的な意味で)の座敷わらし現る 『ざしきのののの』 1巻

ざしきのののの(1) (ダンガンコミック)

ざしきのののの(1) (ダンガンコミック)

全国トップレベルの成績を保持して勉強に打ち込む一方で、
クラスメイトに恋をしている少女・つゆ子。
ふとしたきっかけで押入れに閉じ込められていた座敷わらしを解き放ってしまい・・・

座敷わらしと言えば住み付いた家に幸福をもたらす子供の妖怪として知られ、
それを扱った作品もちょっと不思議な妖怪ものからほのぼの系、
日常コメディと幅広く存在していますし、
最近火災で焼失してしまったものの現在復興活動中の緑風荘も有名なところです。
本作はそうした座敷わらしの概念を完全にぶち壊すかの如く、
あらぬ方向へと突き抜けまくってしまってます。

ぃゃー、これは確実に表紙で騙されますわ。
帯コメントとか裏表紙のあらすじからして不穏な空気は漂ってるんですけどね。
と言うか、雷句誠先生に何書かせてんすか!?
帯の時点で手に持ってるのが鞠だったのが、
取ってみると天狗の面だったりするのも意味深すぎです。
何も知らない当初はそういう民話的なものだと思ってたのに、
読んだ後では明らかに隠語として狙ってやがる!とね。
下ネタ三昧のえげつない座敷わらしを見たい方、
こういうネタは好きだけど露骨なエロ描写が苦手なソフトエロス派の方、
一味違う座敷わらしワールドはいかがでしょうか。


家庭の幸せ与えましょう、性的な意味で。
作中に出てくる座敷わらしの「ののの」は、
子供の姿をしているという概念を踏襲したロリっ娘であることは間違いありません。
が、いざ口を開いて行動をしてみれば下ネタ三昧のエロ大王。
両足を縛られた上にさるぐつわの監禁スタイルでの初登場なんて目じゃなかった。
解放されるなり能力を行使するのはいいとして、
その手段が尻文字とかどこのお座敷芸だよ!とツッコまずにはいられない。

当然作中何回も能力は使うのでその度に尻を振り、
振りすぎて腰まで痛めちゃうし圧倒的なまでの絶句ぶり。
ツッコみどころも超越しすぎると言葉を失ってしまうものですね。
尻を振るだけでもこれだけアホか!ってくらいにぶっ飛んでるのに、
それによってもたらされた展開は更にとんでもないことに。
ノーパン大開脚でアソコを見せてしまったり、
ギャランドゥをプレゼントしてしまったり、

未遂ながらもあわや悌毛プレイや小便プレイになりそうにもなる。


新キャラが登場したかと思いきや真性ドMの変態で、
鼻フックや三角木馬でSM対決する羽目になったりもする。
現実だったら恋愛成就どころか確実に訴えられるか、
ドン引きされてぼっちモード突入フラグだわ。
ここまで変態展開に巻き込まれるつゆ子さんマジ災難ですね。


変態の裏に隠された真意。
本作において下ネタが占める割合は9割以上ではあるものの、
それでも恋愛フラグってものはしっかりと見え隠れしてるんですね。
普通だったら最初の時点でフラグ崩壊もいいところなんだけども、
こういうエロハプニングの積み重ねが逆に好感度上げになってるのは、
二次元作品ならではの特権だなー。
しかしここまでえげつない展開の連続で割りと何でもありな中でも、
一貫してるのはあくまで相手には自ら振り向いてもらおうとしている点。
直接好きになるようにしてしまえば手っ取り早いし、
事実一度だけ能力を使えるようになったつゆ子がそれを実行してます。
が、結果として便利な能力は万能ではないことを知ることになって・・・
一度強引に好きにしても最終的には自分の力でもって
本心から好きになってもらおうと改めて決意するのは、
非現実系ラブコメではお約束ではあるけれども、
普段のノリがノリなだけにインパクト強かったです。
まさか本作でいい話だなーと思えてしまうとは・・・