ギャップ萌えのラブコメ力 『今日のユイコさん』 1巻

今日のユイコさん(1) (アフタヌーンKC)

今日のユイコさん(1) (アフタヌーンKC)

釣り目がちな顔と真面目すぎる性格とで少し怖い印象を与えるユイコさん。
絶賛お付き合い中のトモヤに見せる本当の姿はとても愛らしく・・・
昨年あたりより強烈な破壊力を秘めたラブコメ率が増えてきた印象がありますが、
そうした荒波の中に新たなる一石が投じられた本作。
見た目もさることながら性格も手伝って、
風紀委員とかがすごくよく似合いそうなヒロインが、
ツンとデレの調和をもって仲睦まじき姿を見せ付けてくれていて、
悶絶&壁ドンできること請け合いです。

そう言えば最近ヤフオクのスキル出品に壁殴り代行が出たって話題になったっけ。
思わず入札したくなってしまうじゃないか。
終始デレデレで甘々なイチャデレも致死的な威力があるけど、
こういう誤解されがちなキャラながらも心では通じ合っていて、
結局毎回最後は今日も二人はラブラブでしたってパターンも、
またえげつないまでの威力を誇ってますよ。
波風立つ中で不器用な二人は初々しくもあり、
現実はこんな風に常に何事かが起こるよなーとリアルでもあり。
嗚呼・・・青春だねぇ・・・
当時自分にも告白するだけの度胸があればこんな世界線もあったのかもね・・・
嫉妬と羨望たっぷりに、とりあえずトモヤはもげろと言いたくなります。


面倒臭さを乗り越えたその先に待っているのは赤面展開。
ユイコさんがどんなキャラであるかを端的に言ってしまうと、
良く言えば規則正しくて、悪く言えばクソ真面目。
何かにつけて校則だから、ルールだから、常識だからと、
理由付けてツンケンしてしまう姿は実際かなり面倒臭いです。
リアルにいてもめんどくせぇ・・・と思ってしまう自信があります。
が、この回りくどさが全てトモヤへの好意に繋がっていることがわかると、
途端に面倒臭さが愛らしさへとひっくり返るのですよ。
学校にお菓子持ち込みはダメだから見張ってないとダメとか言いながら、
結局は一緒にいたいだけじゃないか!

ストレートに好意をぶつけられればそれに越したことはないけれども、
なかなかそういうわけにもいかない人の場合、
「理由」ってものが必要なんですよ。
ペットボトルを捨てること一つを取ってもユイコさんらしさが全開。
確かにゴミの分別は大切ですが、
結局のところ一緒にいたい、一緒に帰りたいと遠回しに誘ってるんですよね。
ぃゃ、ユイコさんの場合、真面目なのは地だから、
ちゃんと捨てに行こうってのも目的ではあるとは思いますが。


テンプレに沿ったツンデレのデレ期絶頂。
とにかく本作はユイコさんの反応を楽しむことに、
魅力の9割方が詰まっている言っても過言ではありません。
表面上だけ見ると鉄の女とか男子からニックネームが付きそうではあっても、
実際は相当にわかりやすいキャラと反応とをしてますし、
怒ってるように見えたら次の瞬間には赤面していたり、
実はとってもリアクション豊かでこれほどわかりやすいのも珍しいくらい。
やっぱりラブコメは「照れ」の描写が最も光るところであり、
同時に個性が顕著に現れるものですね。
そして普段の真面目な優等生ぶっているのが虚勢であるのがまた。
ルールと恋人との板挟みにあって思い悩んだ末に恋人の方を選んだり、

トモヤに好意を寄せる他の女子が宛てたラブレターを破棄したり、

感情的になって行動する場面もかなり多いです。
青臭いなぁ、それでいてすごく甘酸っぱい。
棒アイスの間接キス⇒ブレイクされる⇒ペットボトル間接キスを迫る
とか、ベッドの上でトリプルアクセル悶絶した勢いで壁ドン余裕です。

これほどまでに真面目で奥手で初心なユイコさんを、
トモヤが一体どうやってものにしたのか気になりますね。
出会いと告白までの付き合うに至った過去回はよ!