ツッコみ伝説、再び!? 『キン肉マン』 38巻

キン肉マン 38 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 38 (ジャンプコミックス)

王位争奪戦に決着が付き、束の間の平和が訪れた地球。
しかし現状を快く思わない者たちが動き出し・・・
2世がタッグトーナメント編でひとまずの完結を見たところで、
24年の時を経てまさかの伝説超人世代による、
正統な続編が始まってしまいました。
37巻は短編集だったから続編とも違いますし、
普通ここまで間隔が空いたらタイトル変えたりとかして
新しくナンバリングし直したりするようなものですが、
一度完結していることも併せて前代未聞ですよ。
ベタでバレバレな展開を繰り広げたかと思いきや、
こちらの予想だにせぬ斜め上いきまくりの転換があったりと、
長い時を経てもゆでイズムは全く変わりなくて安心です。
新キャラを読者デザインで応募するのも相変わらずだったり、
カバー下も昔の装丁を踏襲してくれてますしね。
二世世代も特有の色は持っていたけれども、
やっぱりキン肉マンと言ったら伝説超人世代ありきです。

懐かしさ補正もあるのかもしれないけど、
何だかんだで好きなんだなぁ・・・


新たに襲来するは真の完璧超人こと「完璧・無量大数軍」。

当時から長いこと放置されたままの話がこんなところで出てくるとは思わなんだ。
王位争奪戦のときもオメガマンネプチューンマンのことを
完璧超人の裏切り者として抹殺しようとしたけど、
他の連中はどうなったんだってところがありましたからね。
そもそも超人たちが宇宙空間を飛行できること自体忘れてましたよ。
二世世代で悪魔・完璧・残虐が手を組んだ悪行超人として、
d.M.pとか設立する前ともなれば確かに敵として出てくるとすれば、
このあたりのアンノウンな存在だった連中くらいなものです。
ボス的存在がビッグ・ザ・武道ならぬストロング・ザ・武道ってのも意外。
絶対オーバーボディで中に別の超人が入ってたりするのは予想に難くないとして、
完璧超人のボスはオーバーボディ装着の伝統でもあるのでしょうか。
一方でこの時点でキン肉マンは王としてキン肉星へと帰還、
他の正義超人も療養中で戦えるのはテリーマンのみ。
嗚呼、悪魔超人編から王位争奪戦に至るまで、
最初はキン肉マン一人で戦っていた流れがこんな風に変革されてくるとは・・・
ぇ?ジェロニモカナディアンマンスペシャルマン
嫌だなぁ、かませ犬連中が頭数に入るわけないじゃないか。


でも勝っちゃうあたりがさすがテリーですね。
地味で毎回苦戦してるけど正義超人たちの中で勝率はトップクラスですし。


ツッコみどころ満載なところはもはやお家芸
後付設定だのそもそもの描写の矛盾だの、
一つ一つツッコみ始めるときりがありません。
全てが「ゆでだから」「ゆでイズム」の一言で済んでしまうというね・・・
普通ならそういうのって欠点でしかないのだけれども、
完全にネタとしてしまってる上級テクなんて真似できる代物じゃないですって。
開幕の正義・悪魔・完璧の相互不可侵条約を交わしているところにせよ、
代表がいないとは言え残虐超人がいないことになってしまってるし。
他にもモブ超人のタイルマン・カレクック・ベンキマンが人間になってしまうところも、
ギャグなのか本気なのか判断し難いものがありますね。

確かにジェロニモが人間から超人になったこともあるし、
ブロッケンJrが超人から普通の人間になったこともあるから、
ありえない話ではないにせよ外見変わりすぎだろ。
カレクックがダンディだったりベンキマンがイケメンだったり、
むしろ超人じゃなくなった時の方がいいビジュアルってどういうことだよ!?
そもそもジェロニモが超人になったときなんて全く変わらなかったのに・・・
(性格は一時期荒ぶってたけど)
最後は最後で悪魔超人が参戦という意外な援軍が出てくるにしても、
ステカセキング程度で太刀打ちできるのかよ!とか、
死んでて超人墓場にいたはずのブラックホールが生き返ってたりとか、
もう何をどうツッコめばいいのやら・・・

(死んだ超人に関しては36巻最後にフェイスフラッシュで全員生き返らせたとも考えられるけど)
こんな風にツッコむことを楽しみ方として割り切れるあたりがやはり「ゆでイズム」ですね。