結婚大作戦発令中！？ 『変態王子と笑わない猫。』 2巻

変態王子と笑わない猫。2 (アライブ)

望まぬ形で叶ってしまった願いを何とかしようと、
互いに失った建前と本音を取り戻すべく奮闘する陽人と月子。
陽人の建前を得た小豆梓からの奪還のためにデート作戦を決行したのだが・・・

人気ラノベのコミカライズ版に待望の2巻目が登場です。
タイトルからして相当アレな内容と思わせておいて、
事実その通りのシーンも多々あったりはするものの、
本音と建前をテーマに細かい心理描写を描いた本作。
前回は原作と比較しても遜色ないほどに
高クオリティで忠実に再現された絵柄でも驚かせてくれましたが、
今回も実に安定した内容で一安心です。
ラノベ原作と聞くと一歩引いてしまう自分でも、
数少ないハズレの無い安牌を掴めた感が大きくて満足です。
本編の内容は表紙の通りに梓中心に展開していきますが、
要所要所で出てくる月子も出番は多めだし、
それにラストが・・・ね。
ちゃんと原作も読まないとなーと思わずにはいられませんよ。
コミカライズ版ならではのパロシーンなのかと思って、
試しに原作の方を確認してみたら本当に書かれててびっくりしたところもありますし。
そりゃICOネタなんて出てくるなんて思いませんもん。

全力本音の変態VS全力建前の美人。
のっけから全力すぎて迷走しまくってるように見えながら、
それでも最終的に着地するところへ着地する流れがいいなぁ。
デート開幕に結婚相談、ラブホすら通り越して産婦人科。
直球ストレートすぎて逆に清々しいわ。
梓さん、よくぞデレてくれました。
過去に受けた心の傷のくだりは、
転校どころか人間不信になってもおかしくないレベルですよ。
それを乗り越える決定打が変態だったあたりが本作らしい。
むしろ変態な分だけストレートで一周回って逆に格好いい。

デレた後の可愛さを発揮するのも心の奥底にあった想いを吐露し、
受け入れてもらえたからこそです。
出会っていきなりデレて付き合い始めるなんてシチュエーション、
ストーリー性も無ければ感動もありませんからね。
そのための本音と建前の使い方、真理描写が実に上手い。
普通は本音でぶつかり合って信頼関係って生まれるものですが、
時には建前を用いなければならないことだってある。
人付き合いのノウハウってものを教わることになるなんて思いもしませんでしたよ。

友情とは何なのか、愛情とは何なのか。
一つ間違えばそれだけで関係が崩壊することにもなりかねない。
相手によっては正解の応えも他の相手では不正解かもしれない。
人間関係って一度深みに嵌るとどこまでも深いものです。
そうしたことも踏まえた中扉の一言が非常に重い。
友人って何なんでしょうね。
本当の危機のときに手を差し伸べてくれる相手こそ本当の友って聞いたことはあるけど、
それが真理かって問われればそんなこともないし。
やたら小難しいことばかり書き連ねてしまってますが、
要は人間心理ってものを実によく描写してるなと思う次第。
しかもコメディ調に。

真理に深く追求したストーリーを彩るヒロインの神々しさ。
本作を知った当初は月子かわえぇ！の一言に尽きたのですが、
今回読んでみたら梓も可愛くてたまらない。
初登場のときはツンケンしてるキャラと思ってたらとんでもない。
本音が垣間見えてデレた後の威力は何この反則技。
ぃゃ、デレる前から十分すぎるほど可愛いんですがね。
後の方が圧倒的にニヤニヤが止まらないレベルなんです。
さっそく弁当作ってきてくれるとか、
ラブコメ方面としても全力ですよ。

本作のヒロインの可愛さはヤバすぎるだろ。
ぁ、でも鋼鉄の王は怖い・・・
月子の姉ってのはびっくりでしたが、
あの理不尽なまでのキレ方から察するに実はシスコン臭いなぁ。
しかしずっと梓のターンかと思いきや、最後に月子がやってくれた。
ディスカウントストアでのコスプレ試着祭りって何たる俺得シーン。

全部が全部素晴らしすぎてどれがいいかなんて選べませんよ。
姉の存在があまりにも大きすぎるのが障壁だけど、
それさえなければ今すぐにでも娶りてぇ・・・
が、このコスプレ祭りも最後の最後で待ち構えているラッキースケベと比べれば、
ほんの前菜に過ぎないのです。
更衣室で着替え中のところに突貫してしまった結果、
当然の如く中には着替え中、しかも全裸の月子の姿が・・・

イイイイイィィィィィヤッホォォォォォウ！！！！！
うん、宝にします。
鋼鉄の王にこの現場目撃なんてされた日にゃ末代まで祟られそうですな。