俺の姉がこんなに可愛いわけがある! 『ヘタレ姉。』

ヘタレ姉。 (CR COMICS DX)

ヘタレ姉。 (CR COMICS DX)

海外出張中の両親の都合により、姉弟二人で生活する篠村家。
色んな意味で困ったちゃんの二人が繰り広げる生活はドタバタ劇の連続で・・・

東方同人では名の通った作者の初オリジナル作品と言う事もあり、
4コマ好きやラブコメ好きに加え、東方クラスタからも注目の本作。
作者のHPで公開されているWeb版&同人誌収録版もプラスされ、
いよいよ最強姉弟が日の目を見る日がやって来ましたよ。
187cmの長身弟と146cmのミニマム妹、身長差実に41cmって構成は、
現在アニメが放送中のリコーダーとランドセルに通じるものもありますが、
それとは全く違ったキャラ作りによって、これまた違った味を出しています。
Web&同人版では基本姉弟の二人しか登場しなかったのも、
連載化にあたってキャラも追加されていたりして、
更にドタバタっぷりが強化されていますね。
弟依存のヘタレな姉と、姉大好きな病的シスコン弟は、
どちらも色んな意味で可愛すぎて微笑ましすぎて残念すぎて、
邪な感情多々ありなアットホーム劇場は見ていてニヤケが止まりませんなー。
自分の姉がこんなだったら間違いなくシスコンになってます。
弟こと衛太郎はさすがに病的な変態すぎるけど、わからないでもない。

リアルで姉を持つと姉属性って皆無になりがちな中、
姉萌えを体感できる稀有な本作でした。


史上最強に可愛い姉参上。
可愛いの基準ってものは人によって異なるものとは思います。
大人なように見えて子供っぽいところがあるとか、
単純に容姿的なものだとか、本当に子供だったりとか。
本作の姉はミニマム&ヘタレ属性持ちの小動物系で、
基本姉っぽいところは微塵も感じられません。
むしろ妹でも通じるくらいで、もっと言ってしまえば小学生・・・
どんな姉キャラでも、大抵は少なからずそれらしい要素があるもの。
例えば時折見せる大人っぽさとか、母性的な面とか。
真夏姉さんにそう言った要素はほぼ皆無。
強いて言うなら意外ときょぬーだったり、裁縫レベルが高いくらい。
最低限のキャラ設定するための要素の大半排除したことで、
実に印象深いキャラが誕生することとなりました。
本当に作者の春夏アキト氏はヘタレキャラを描くと輝くなー。
東方の同人誌でも寅丸、藍様、さとり様、布都と、
あわあわしてるキャラがたまらんもんがあったし。
とにかく真夏姉さんちびっこヘタレ可愛い。
子供の頃は、姉にいいように使われるのが本当に嫌で、
反発しては喧嘩ばかりしていた身から見ても、
この姉だったら色々と使ってもらいたい、頼りにしてもらいたい。
そんな風に思えてしまいますね。
一緒にテレビを見るときの定位置が弟の胡坐椅子って、何そのご褒美!?

テレビ見て笑ってる後ろから頭なでなでして愛でたい!
見た目によらず大食いだったりもして、
必要に迫られればそりゃ料理スキルも上げたくなるってもんです。

仮にこれで非血縁だったら完璧ですな。


取り巻く環境がドタバタ劇に拍車をかけ。
連載版となってからはキャラも増えたのですが、
何か実にらしい感じがする個性を放ってくれています。
幼馴染とトラブルメーカーの煽り役の二人は、
本作の持つラブコメとしての一面を際立たせるに十分な活躍ぶり。
全体的にはやはり姉弟がメインで活躍していて、
この二人にスポットを当てたエピソードが少ないだけに、
知られざる面も多く、今後の掘り下げが楽しみなところですね。
片や幼馴染の日鞠さんは黒髪ロング、眉毛、片思い、PCマニアと、
いかにもな属性と個性的すぎる属性を兼ね備えてます。

ビジュアル的に地味なタイプなのに、暴走したときの変態っぷりは、
ある意味衛太郎に近いものがあるかも。
部屋を好きな人の写真で埋め尽くしてるのはデフォですよね。
これだけ想ってくれる人が身近にいるってのに、
想いを向けられている本人は姉のことしか見えてないという・・・
立ち位置的にはかなり不憫なだけに、時折見せるそれらしいフラグの破壊力たるやもう。
料理を褒められて表情を元に戻せないほど破顔したり、
抱き枕を抱きつつ悶々としたり。

真夏姉さんばかりに目が行きがちだけど、視点を変えるとこんなにも素敵だったのか。
Web&同人版の頃は家族愛的な印象を持っていたから、
もう日鞠さんいてこそのラブコメと言ってしまってもいいくらいです。
そして全てを引っ掻き回すのがトラブルメーカーの里緒菜さん。

見た目がどこぞの人形遣いっぽいとか思っていたら、
全然ぶっ飛んだキャラで皆をある意味人形のように操りまくりですよ。
こっちはこっちで実はブラコンっぽいけど、
そのあたりのエピソードはこれから展開されるのかな。