恋は盲目、ヨゴレ道 『魔法が万能だなんて言ったやつ誰だ!?』 1巻

全女子に超モテモテのイケメン生徒会長の心を掴むべく、
少女は今日も黒魔法と自重しない下品さで大暴れをし・・・
年頃の女の子が恋愛に幸運にとおまじないをするのはよくあること。
中にはオカルト的な手法に手を付ける娘だっていたっておかしくない。
が、明らかに何かが違う、圧倒的に違う。
下品なんて言葉で片付けられないほどにぶっ飛んだキャラで、
どこまでも止まらない、止められない勢いで突き進みまくり。

更には白魔法使いや錬金術師に風紀委員長まで絡んできて、
まさに本作そのものが黒魔法の魔道書の如き混沌を極めてます。
一言で言ってしまえば「ひどい」の一言に尽きます。
むしろあえてドイヒーと言うべきか。
褒め言葉としてですよ?
既に表紙と帯だけで上級者向けな雰囲気漂わせる本作。
勇者よ、めくるめく未知なる世界を目の当たりにすることを欲するのであれば、
勇気をもって表紙を開くがよい。


魔法とか恋とかそういうレベルじゃない何か。
ある意味「禁書」ですってこれ・・・
中のひどさを煽る帯書きもまたひどいし。
「ア●ルに鉄串炙り攻め」
って、普通に考えたらSM系の18禁作品にしか思えませんて。
でも書いてあることは間違ってないんだよなぁ・・・
攻められる受け側が使い魔のカラスだからこそギャグとして成立してますよね。

と言うかこのカラス、鉄串に限らず色んなものでケツ掘られすぎです。
アスパラだったり猫の肉球だったり悪魔の角だったり。
その都度アフンアフン喘いだりするし、真性のMだろ!?
はい、基本こういう変態ノリばっかりです。
主人公の花梨さんも、黙ってれば見た目はそれなりなのに、
口を開けば下ネタ連発の超ヨゴレですからね。
行動も色々と残念なところが多くて、やっぱりドイヒー。
魔王クラスの悪魔を召喚しても壁役とか漫才のボケ役に使う魔力の無駄遣い。

かと思えば廊下に毒の沼を撒き散らしたり火の玉を乱射したりする過激な行動に出たりも。
ギャグなので毒でもドラクエよろしくHP1で留まったり、
火の玉ピッチャー返しを食らってアフロになったり、
地味に押さえるところも押さえてるよなー。
極め付けにマジックアイテムのナイフを受け取ったら、
使い方を聞かずに躊躇無く刺しに行く始末。

ここまでやって最終的に恋愛成就したらそれこそギャグだわ・・・


ネタはドイヒーでもキャラは可愛い罠。
何気に作中に出てくる娘たちは総じてレベル高いですよ。
作品が作品なら、白魔法使いのメイ子さんとか、
風紀委員長の滝本さんとか十分にヒロイン張れそうだし。
一応サブヒロイン(?)のこの二人が可愛いんですよ。
メイ子さんは恋愛的に絡んできたりはしないけれども、
花梨の恋愛成就に色々と協力してくれる優しさがたまらない。

他の人たちに対して例えそれが悪魔でも無償で占いしてたりもするし、
え?何この女神?
東北出身っぽい方言訛りの魔法使いってかなり斬新なキャラしてます。
一方の滝本さんは普段は校則破りは決して許さない超お堅い風紀委員で、
風紀のためなら実力行使も辞さない武闘派。
魔法の火球を釘バットで打ち返したり、文字通りレベルを上げて物理で殴ればいい!
恋愛なんて二の次かと思いきや、しっかりと先輩のことが好きだったりするんですよね。
それがバレたら殴って記憶抹消したり、
先輩のバイトを許す条件として一緒に帰ることを提示したり、
見事なまでにラブコメ要員として機能してます。

花梨さんなんていらんかったんや・・・
と言うか、メイ子さんか滝本さんヒロインの純ラブコメを普通に読みたい。

メイ子さんの場合だとほんわか系、滝本さんだとツンデレ系と、
どっちもいい感じにニヤラブしてくれそうだし。