赤面リアクションの素晴らしさ 『こみっく☆すたじお』 3巻

こみっく☆すたじお(3) (ヤンマガKCスペシャル)

こみっく☆すたじお(3) (ヤンマガKCスペシャル)

年末も迫ってきて忙しくなってくる時期。
秋乃のエロ原稿を発端として、コミケで合同誌を出すこととなったが・・・
某あきら様にしか見えないいちこさんと、
某白石にしか見えない相原との漫画家師弟コンビによるラブコメの第三弾。
今回はコミケに参加したりしながらも、
クリスマスを二人で過ごしたりと純粋にラブコメ色が強くなってきており、
読んでいる間のニヤニヤ感がすごいことになってます。
まさかここまでニヤケられる内容に本作が化けようとは・・・
二人とも純粋すぎるせいで爆弾発言の数々も嫌らしさのないストレートさがあるし、
それを素で受け入れてしまう反応もまた見ていて微笑ましい。
キスシーンまで飛び出しちゃうし、この威力はかなり高い。
変態要員の秋乃にも徐々に恋愛フラグが立ち始めてきているし、
漫画家もの以前に普通にラブコメとして楽しみすぎる。
帯では萌え系の作品否定派に真っ向から挑戦しているコメントが書かれているし、
逆を言えばそれだけ自信をもってお勧めするってことですよね。
萌え系ってものは、そういう要素『だけ』のものも確かにあるけど、
あくまで一要素でしかなくて他の要素で勝負しているものだっていっぱいある。
後者に進化完了した本作のこれからが色々と楽しみですね。
漫画家としての要素も少なからずあり、
やっさんの本気のアドバイスが響きますね。

自分も相手も両方楽しむ。
なかなか難しいことです。


間違っても正統派なお付き合いではありません。
そもそも作家とアシって関係に始まり、
仕事の都合で住み込みであることもそう。
実際のラブコメシーンの数々なんてほぼ全て。
とにかく『ベタ』感ってものがないんですよね。
かと言って斬新すぎるのかと言うとそうでもない。
何か空気的と言いますか、最初からそうであること自体が自然な感じ。
現実的にありそうでなさそうな微妙なラインが、
非常に自然すぎてすんなり入り込めてしまいますね。
キスしてほしいと言われて、人目を盗んでその場でしてしまうとか、
世の中のリア充カップルなら普通にやってそうな光景だし。
しかもクリスマスの日に牛丼屋で。

見た目ロリな先生の外見こそ普通とは違えど、
カップルとしてのやり口は絶対に現実にいてもおかしくない。
高級そうなレストランの飯なんかいらんかったんや。
相手さえ傍にいれば、時と場所なんて関係なかったんや。
例えクリスマスイブ当日に風邪で倒れて看病するなんてことになっても、
エプロンじゃなくて割烹着と言う強力布陣。

お色気要素が多めの作品だと裸エプロンが定説だけど、日本人なら割烹着だろ!
看病してもらう側としてはこの嫁っぷりがたまらんのですよ。


ニヤニヤ度を加速させるは、そのリアクション。
赤面っぷりと初々しさと爆弾発言とが相まった表情の数々は、
見ていて微笑ましいを通り越してニヤニヤしてしまうこと請け合い。
処女だから18禁が描けないって、
純粋すぎるにも程がありますぜいちこ先生。

ぃゃ経験豊富だったら描けるってもんでもないんでしょうけど。
当初18禁を描いてた秋乃を一発で挫折させてしまう
エロチーフ改めビッチーフ半端ねぇっすよ。
これが処女と(たぶん)非処女の違いか・・・
18禁に対するリアクションからしてこんななのに、
クリスマスにデートに誘われたときの狼狽っぷりときたらもう。

年の瀬での酒の場でなんて完全にバカップルモードに突入してるし、
デレデレ具合に酔いしれるー。


リアクションなら秋乃の方も見逃せず。
普段はいちこ先生LOVEの変態百合キャラである分、
ブコメ要素が絡んだときのギャップがすごいんです。
それもこれも前回から登場した桜塚先生のおかげですね。
直球で好きだと言われてこの表情である。

告白の殺し文句ってのも色々あるでしょう。
歯の浮くような臭い台詞なんていくらでも思い付くだろうに、
一切を飾らぬストレートッぷり。
実際はこれくらい普通の方が伝わりやすいのかもしれませんね。
徐々に魅かれていってる秋乃の変遷がもう・・・
合同誌の原稿を持ってくるのに備えて可愛い服を着て待ってたり、
コミケで一緒に売り子をすることになってしまったときも
完売目前になって抱きつきそうな勢いで喜んだり。

いちこ先生と相沢のデレップルもいいけど、
こっちのツンデレップルもたまらんですなぁ。