契約してしまった梓に待ち受ける運命とは・・・ 『魔法少女あずさ☆マギカ』

5人で迎えるのは最後となる文化祭が終了し、
自分だけ残されていってしまうと言う現実を実感する梓の前にQBが現れ・・・
タイトル通りのけいおん!とまどかのコラボネタであり、
梓がQBと契約して魔法少女になってしまう話なのですが、
一つのストーリーとして非常に完成度が高いです。
あの文化祭後のシーンと言う、一番契約してしまいそうなタイミングに現れるQB。
まどか本編後の舞台設定のため、戦う相手が『魔女』ではなくて『魔獣』であること。
契約によって叶えられた願いと、身に付けた魔法。
梓に干渉するほむらの想い、そして辿り着く結末。
何もかもが、その発想があったかと驚かされる内容の連続で、
単純に作品の世界観を繋ぎ合わせただけではないですよこれは。
もし世界線が繋がっていたとしたら、有り得たかもしれない一つの物語。

無茶苦茶切なくて、かなり本気で泣けましたわ。
読み終わった後の何とも言えない気分は表現するに難いです。


願いと魔法の特徴のマッチング。
まどか本編ではまどかを救うためにほむらが時間操作能力を習得していたのに対し、
こちらは学年が違うが故に一緒に卒業できない現実を変える為に同じそれを習得しており、
確かに経緯こそ異なるにせよ、時間と言う概念では共通しているんですよね。
その共通性と絡み具合が程よくマッチしてるもんだから、
梓もほむらと同じ道を歩みかねない危うさが一層際立っていて・・・
時間操作能力は強力だけど、この世界では悲劇の象徴になってる気がしますね。

話は全体的に重めで切ないのですが、
ストーリーは当然のこと、魔法少女姿として戦う梓にも要注目なのです。
まどかキャラの誰とも異なる雰囲気で、
ステージ衣装とも見える格好でギターを手に戦う姿は非常に格好可愛い。
完成度の高いストーリーとビジュアルで構成された良作でした。