土下座VS土下座の究極大戦と人類王者誕生!? 『どげせん』 2巻

どげせん 2 (ニチブンコミックス)

どげせん 2 (ニチブンコミックス)

進学校とは言いつつ、若干荒れ気味の樫宮高校に補助教員としてやって来た男・瀬戸。
ヤクザをも平伏させるテクニックで、今日もどこかで土下座をし・・・

板垣氏原作による脅威の土下座ギャグに早くも2巻目が登場し、
今回も常識の範囲を超えた土下座の嵐吹き荒び、
ありえないシチュエーションと瀬戸の意外な黒さとで笑わせてもらいました。
いつも通りでぶれない瀬戸の土下座もあれば、
瀬戸のみならず、生徒や教師、ゲストキャラに至るまでもが土下座しまくりで、
土下座VS土下座なんて恐ろしい対決まで飛び出し、
前回よりもギャグ方面へベクトルが急加速してくれています。

ぃゃ、正直本気でギャグをやろうとしているのか、
結果としてギャグとなっているのか非常に判断に苦しむところではありますが。
間違いなく瀬戸のモデルであると思われる田代が
再逮捕でごらんの有様だよな状態になってしまっているけれど、
仮に田代が瀬戸くらいの渡世術を身に付けていれば
こんなことにもならなかったんだろうに・・・


土下座教師は今日も我が道を往く。
とてもそうは見えないけれど、一応教師ってこともありますし、
地味に学校でそれらしいことをやっている場面もあるんですよね。
交通事故に巻き込まれた親の手術を待つ生徒に無事を祈るための待ち方の礼儀を説いたり、
鳴り物入りでやって来た転校生をうまく丸め込んで牙を抜いてしまったり、
助教員から正教員への昇格を校長と交渉してみたり。
回を増すたびに着実に教師としてのカリスマを高めているから恐ろしい。
もはやGTOならぬ、DTS(Dogeza Teacher Seto)ですよ。
確かに土下座ばかりしているけれども、全く卑屈さは存在していないし、
第一、今回の表紙を見てもわかる通り、目が全然笑ってない。
それもそのはず、彼の土下座には遥か古代から続く一族そのものであり・・・

って、嘘だ!
起源を辿れば行き着くのかもしれないけど、祖先に類人猿までいるじゃないか。
ものは言い方と見せ方だなぁ。
ハッタリ込みの交渉術で教わるものがあると言う意味では紛れもなく教師です、この人。


あらゆる方面から飛び出す土下座乱舞。
結局は毎回何かしらの形で土下座に話が展開するわけですが、
ただ単に土下座するだけではなく、バリエーションの豊富さが異様すぎです。
感謝の意を表すツンデレ土下座に始まり、
オーソドックスと思わせて事前準備しまくりの雪中土下座もあり、
掟破りの逆土下座を意外な方法で阻止する土下座頂上決戦に、
市川海老蔵っぽい夷蔵の激しくも雅やかな火炎伏座まで。

うん、ファイアー土下座はないわー。
この回だけ他とノリが違うし、例の灰皿テキーラ転じてスピリタスとかあるし、
やっぱあの事件はいろんな方面に衝撃を与えたようですね。
主にネタ的な意味で。


話も濃ければ人間も濃い。
原作担当とは言えども板垣作品であることからも、
濃さは推して知るべしなところはあるのですが、
新キャラ勢がまた土下座以上に記憶に残るほどインパクトが強い。
どこかで見たことがあるようなデコハゲで還暦寸前の倫理教師が、
瀬戸の事が好きだの今はいてるパンツをくれだの、
いきなり変態の枠を飛び越えた変態発言が出てきたときは固まったわ。

ぃゃ、最初は瀬戸を平伏させるための演技みたいですが、
逆に平伏させられてからはガチっぽい上に、
瀬戸自身も案外満更でもなさそうな・・・
さすがにジジイとも言える年齢のおっちゃん同士の絡みはヤバいだろ。
逆に瀬戸を相手にしてしまったがための被害者と言えるのが転校生の宇田川。
同時に、今回最もギャグ要素が強かったのがこの宇田川絡みだったりも。
電車で瀬戸の挑発土下座に乗ってしまったがために、
乗り込んできた一般の人たちから総スカンを食らう羽目になるし、

いざ転校してきたら、これまた瀬戸の策略にハマって
『人類王者』とか恥ずかしすぎる二つ名を付けられた挙句に、
『ホモキン』とまで略されてしまう始末。

ここでの『ホモ』はあくまでホモ・サピエンスのことですが、
言葉だけ聞いたら新宿二丁目の王みたいに思われること請け合い。
読んでる側としては爆笑したけど、
実際こんなあだ名付けられたら生きてけないわ・・・