入れ替わってわかる他人の気持ち 『ココロコネクト』 1巻

ココロコネクト(1) (ファミ通クリアコミックス)

ココロコネクト(1) (ファミ通クリアコミックス)

全く嗜好の異なる男女5人で構成された文化研究部。
ある日、唐突に人格入れ替わり現象が5人の身に起こることとなり・・・

当初はラノベ原作ってこともあって敬遠していた本作ですが、
表紙に魅かれて読んでみたところ、これがなかなかの当たりでした。
やはり一目見たインスピレーションで引き付ける絵柄ってのは大きいなと思うと同時に、
この業界においては国境ってものを越えるなーと。
(本コミカライズ担当はお隣の国の方らしいので)
単純に絵柄に魅かれたこともありますが、
肝心の話の中身もSFありの青春ジュブナイルとして完成度の高いです。
各々が各々の悩みを持ち考えており、
入れ替わったことでそれがはじめてわかるとか、
文字通り心と心を繋ぐ(コネクトする)お話でした。
この奇妙な現象が招くことになる結果や、
『ふうせんかずら』を名乗る観察者の目的等、
色々と謎や気になるところも多いです。


其の現象が招くのは、互いの絆か自己の崩壊か。
親しいからこそ言える事、言えない事、誰でも少なからず思うことはあるはず。
それが、入れ替わってしまったことでわかってしまう、
隠していたわけではないにしても知られてしまう。
今まで見てきた入れ替わりものにはなかった展開ですね。
異性の身体に興味を持ってトイレでシークレットゾーンを見てしまって・・・
ってものが多いパターンだったりするけれど、
物事はそんな単純なことで片付けられるようなものではありませんでした。
いつどこで、誰と入れ替わるかもわからず、
戻るタイミングすらもわからない。
意思だけが入れ替わるのだから身体の反射も自然と伝わってしまう。
完全にプライベートなんて存在しないも同然ですからねぇ・・・

過去のトラウマから男性恐怖症になっていた唯は、
此度の件でもって克服への第一歩を踏み出すことになったけれども、
(きっかけが金的攻撃ってのがあれですが)
そんな良い影響を及ぼすだけとも思えない。
男連中は比較的楽観視しているのに対し、
深刻に捉えている稲葉や伊織が人格崩壊でも起こしかねなさそうで心配でなりません。
とは言っても、入れ替わりならではのお約束もきっちりあるので安心ですね。
好きな相手の身体になったから告白ボイスを収録してみたり、

普段なら絶対に見られそうもない恥ずかしいポーズを取らせたりとか、

サービスシーンは抑えてくれてます。


入れ替わりに巻き込まれた5人は、わけありだったりそうじゃなかったり。
太一と青木の男二人はむしろこの状況を楽しんでいるとも取れなくもないものの、
やっぱりそれぞれなりに考えてることがあったりします。
今を楽しみ、死ぬ時に楽しかったと思える生き方を身上とする青木って、
実はこういうタイプが世に出たときに一番成功したりするから侮れない。
逆に現状を危惧する女子三人。
全員容姿はかなりいい感じなので、それだけでも文化研究部に入りたいと思ってきますね。
一応メインヒロインは今回の表紙でもある伊織なのかな。
一言で言うなら天真爛漫な笑顔が見ていて和みますね。
ただ、一番キャラが崩壊しそうで怖いのもまた然りですが・・・

笑顔の中に時折見せる真剣さが、意外と深い闇を持ってそうな感じです。
後半は出番がかなり少ないのが気になるけど、次回にもっと活躍しそう?
ある意味今回一番目立っていたのが稲葉。

5人の実質的なリーダーのような感じで口と同時に手が出るようなタイプにして、
男勝りなツンギレ系だけど、見ているうちに可愛く思えてくるから不思議です。
やっぱ自分はこれくらいの長さの髪の優等生タイプキャラに弱いと実感した次第。
はい、稲葉押しです。