メイドの秘密が赤裸々に明かされる!? 『トランジスタティーセット〜電気街路図〜』 4巻

客も少ないながらにゆったりした空気漂い細々と営業している商店街。
時代の流れか政略材料か、再開発の魔の手が迫り・・・
秋葉原と言う街を今も昔もひっくるめて魅力的に描かれる本作も4巻目となり、
のんびりした日常もありながら、ストーリーが大きく動き出しましたね。
以前から度々登場していた謎の女性の正体とみどりとの関係や、
何気に謎の多かったみどり自身の過去が明らかになったりと、
歪んだ愛情や政略飛び交う今回の中盤は若干修羅場モードでした。

そんな中でもしっかりとコメディ描写もあって、
本作が持っている本来の空気ってものは壊していないので安心かな。


新旧織り交ぜた秋葉原としての雰囲気も相変わらずで、
古くは丸一話をはんだ付けに費やすエピソードもあれば、
新しくはAKBに続こうとしてアイドル計画を打ち立てるエピソードもあり。
うん、やっぱりどちらが欠けても秋葉原とは言えませんね。
これほど『古きを知り新しきを知る』を地で行く街なんてそうそうありませんよ。
はんだ付けなんて中学の授業でやったくらいだけど、
今思うと随分なことやってたんだなーと。
さすがに電子工作が絡むと完全にすず無双でした。

描き下ろし部分では歩行者天国をテーマに語っており、
例の事件が起こる前のカオスめいた頃を思い出します。

今じゃUDXベルサールのようなイベントホールもあるし、
そこまで大きくないにしてもイベントスペースを貸し出しているところもあるし、
何よりも警備が厳しくなったから歩行者天国内で云々って話はほとんど聞かなくなったなー。
こんなところでも地味に時代の流れを感じます。


ずっとじゃなくてもほとんどみどりのターン!
今までも何度か登場していた女性『エリザ』とみどりの父親とが登場して、
これまで明かされていなかったみどりの秘密がついに白日の下へと晒されました。
商才があるっぽいことだけは何となく会話で察しが付いていたけれども、
そのスケールがあまりにも半端じゃなかった・・・
日に億単位ってさすがは鋼ならぬ黄金(こがね)の錬金術師。

金稼ぎについてはとにかく父親との関係が泥臭すぎた。
親ぶっていても、結局は自分の娘のことを金の成る木ぐらいにしか考えてないし。
そりゃ過去のみどりが歪んでたわけだわ。
しかし何よりも大きかったのがみどりとエリザの関係でした。
初登場時では今と逆の関係っぽいことを示唆する発言をしていたり、
その次に登場したときはみどりのことを『ご主人様』なんて呼んでいたのが、
文字通りのガチで主人とメイドの主従関係だったとは・・・

世話係だったのが着せ替え人形にされた結果メイドとなっていて、
みどりの脱がしテクに心酔しすぎて変態になった挙句に投資会社の社長って、
何このいつみても波瀾万丈とか知ってるつもり?!にでも取り上げられそうな人生。


今回のエピソードもあって、みどりも他人にコスプレさせることを憚らなくなったし、
色々と禁断の扉を開いてしまった感じです。

今まですずにコスプレさせようとせがんでたのは全然本気出してなかったのかと。
エリザを着替えさせてるときの幼みどりの笑顔も黒かったですからねー。

あらいい笑顔。
うぃずりずの黒杉さんとどっちが黒いだろう・・・