\すげえ/\まじで/\やべぇ/ 『はるみねーしょん』 2巻

はるみねーしょん (2) 限定版 (まんがタイムKRコミックス)

はるみねーしょん (2) 限定版 (まんがタイムKRコミックス)

はるみねーしょん (2) (まんがタイムKRコミックス)

はるみねーしょん (2) (まんがタイムKRコミックス)

空を飛べる宇宙人はるみと、その友人の地球人ユキとかじゅ。
三人の女子高生が繰り広げるまったりとしたボケとツッコミの応酬。
シンプルにしてシュールな世界観が魅力の本作、
今回はきらら史上初(?)のねんどろいどぷち付き限定版をひっさげて登場です。
元々2.5頭身にデフォルメされた身体とシンプルな顔立ちとで
小型のマスコットフィギュア向けのキャラではあったけれど、
まさか本当にこうしてフィギュア化されるだなんて・・・
そういや東方同人で描かれてるチルノはソフビ人形で出てたりもしてたなー。
そんな今回、通常版と限定版とで表紙デザインが微妙に異なるのですが、
通常版は言わずと知れた自由の女神、限定版はまさかの牛久大仏
(裏表紙の折り返しで露骨に名前が出てます)

ええ、そりゃあ地元民としては限定版について言及しないわけにはいかないでしょう。
強いて言うなら牛久大仏せんべいとはまたマニアックなところを・・・
どちらかと言うと、普通に駅のキヨスクとかでも売ってる饅頭の方が馴染み深いかも。
まぁ山の中にあるお墓ですし、駅からバスで2〜30分くらいかかりますが、
上野から常磐線で一時間ほどですし、実物のインパクトは強烈なので
一度は見ておくことを・・・って完全に地元の観光案内になってる・・・
早い話、表紙として起用してしまうセンスが\すげえ/です。
しかしはるみ流じゃんけんのポーズは手の形的に

『ジャンケンポン!ミートボールポン!』
な懐かしCMを思い手してしまいますなぁ。


ネタはひたすらシュールでくだらなく。
ここで『くだらない』と言う単語をあえて出しますが、
勿論悪い意味ではなく、それこそが最大の魅力の一つです。
ほぼ全編通して話の基本的な流れは
日常会話でお題目が出てきて、はるみがボケて、二人がツッコむことで一貫しており、
変にひねったネタがあるわけでもなく、どちらかと言うと直球派。
どれくらい直球かと言うと、手品の意味でマジックを見せてくれと言われて
筆記用具のマジックを取り出してみせるくらい直球。

そもそも本編内ですらくだらないとツッコミが入ってるくらいです。

ただ、実生活でも一度はやったことがあるボケが惜しみもなく出てくるし、
これだけネタとして数が出てくると逆に圧巻なわけです。
実は萌え系4コマの皮をかぶった高度な言葉遊びものとして完成されてますよ。
今年はねづっちの謎かけでこうした語呂合わせが注目された年でもありますし、
ある意味時代の最先端を行ってるのかもしれませんね。
話も絵柄も非常にシンプルでわかりやすいため、
頭を空っぽにして本当にリラックスして読むことができます。


本作に限ったことではありませんが大沖氏の作品全般における魅力、
それはやはり\すげえ/に代表される独特の台詞演出でしょうか。
吹き出しとしての台詞ではなくて、
この言葉だけを独立させていることで生まれる『間』はまさに匠の技。

カバー下にも特有のセンスは見事に発揮されていて、
見ると確実に微妙で残念な気分になれると思われますが、
本作に至っては逆にありだと思ってしまうわけです。
気が付けば完全にデフォルメ状態がデフォになったキャラも特徴の一つ。
今回なんて通常状態の三人なんてたった1コマだけ、
しかも各話タイトル部分でしかありません。

ただ、メインのキャラがデフォルメされてる分、
ネタとして出てくるリアル風味なところが更に味を出していて。
基本は何も考えずに読めるけど、これはこれで計算されたものを感じますね。