全ての歴史はここから始まった 『魔法少女リリカルなのは MOVIE 1st THE COMICS』 1巻

TVアニメとしては三期まで放送され、
Forceが四期としてアニメ化されるのではないかと囁かれる中、
一期目が劇場化され、公式で絶叫上映会が開催されてしまったりと
元々とらハ3のスピンオフだったことも今は昔となってしまったなのはさんですが、
劇場版を基にオリジナルエピソードを織り込んだ本作。
幕間を補完する形となっているのは相変わらずなので
あらかじめ本編を見ておくと色々と深みが増すかもしれませんね。
全体的にそれぞれの心理描写が多めなのだけれど、
既に周知のストーリーを更に掘り下げる意味では効果的です。
同じ一作目でも微妙にTV放送版と異なっているなーと思うところもありますし、
一期目の焼き直しかと思っていたら痛い目に遭いました。
主に熱い展開的な意味で。


改めてストーリーを一からなぞり返してみると、
やはりSF的な要素が強いと思うのと同時に、
バトルシーンが熱いなーと感じますね。
A'sの頃が特に盛り上がっていたからどんなだったかなと
ちょっと記憶が薄れかかっていたものでしたが、
この頃から十分すぎるほど熱かったですわ。

ある意味、最初から150ページ目くらいはプロローグで、
ラスト2話のなのはVSフェイトのガチバトルが本編と言ってもいいくらいです。
TV版ではこのくだりがなくていきなり『名前を呼んで?』だったけれども、
こういう肉体言語で想いを伝えるのがさすがです。
しかもこの2話分だけでも30分一本勝負のうち3分でしかないって言うんだからもう・・・
と言う事は、次巻は開幕からバトル続行ですか!?
やべぇ熱すぎる。


バトル描写のみならず、それ以外に関しても見逃せません。
何と言っても前半はフェイトよりも小さいロリだった頃のアルフとか、
アリシアが生きていた頃の狂う前のプレシアとか、
出番が少ないなりにフェイトの教育係として活躍していたリニスとか、
それぞれの思惑と共に描かれているのは嬉しいところですね。
言われてみればいたかも程度の認識だったリニスいいキャラしてるなー。

決して猫耳な外見に惑わされたわけでは・・・
ちょっとあるけど今のフェイトがあるのは彼女の教育の賜物です。
そして今回のベストショットは我らがなのはさん
死角から飛んできた本来認識し得ないボールを最初から見えていたかのごとくキャッチ。
先天的なポテンシャルが開花した瞬間の一ショットがえらく怖かった。

魔 王 覚 醒
※決して頭冷やそう的なものをぶっ放そうとしてるわけではありません念のため
ぃゃ、もう一つの才能って言われても、
このコマを見た後じゃなのは『さん』とか魔王的なイメージしか沸きませんって。


余談として、アニメイト限定で他の書店にはない
専用のカバーが付属した限定Verが購入可能なのですが、
この表紙がどう見てもクロノ&ユーノが主人公にしか見えない件。

話に深く関わってくる重要人物ってことはわかっていますが、
本来の主人公のなのはさんは二人に守られるヒロインみたいになっちゃってます。
フェイトなんてそもそも表紙にいません。
元々の表紙も付属はしていますが、
こっちはこっちでメカ食が強くて魔法少女と言うよりも
完全にSF作品チックな感じで格好いいです。
こうして見てみるとやっぱりいろんな意味で
魔法少女ものの歴史を塗り替えてしまったのかなーと改めて思いますよ。
あとは何と言っても中扉のフェイトが非常に格好いいので必見です。

この中扉絵のために買ってよかったと思えるくらいでした。