!!

擬人化は、果たして嫌悪の壁を超えられるのか!?


えらくシンプルな上に記号だから読めないと言う
単純な割にはインパクトの強いタイトルな本作。
ジャンルとしては最近色々と種類の多い擬人化ものにあたります。
が、その対象が・・・
擬人化ものは実に幅が広く、何でそんなものまでと思うものまで
人に例えてしまう作品が数多くあります。
車とかは勿論のこと、食品や家電製品、国や地域に至るまで。
そんな本作が今回擬人化したものとは、
これから夏が近付いてくるにつれて数多く見られることとなる奴ら。
黒い身体を光らせて駆けずり回る人類の敵。
そう、本作で擬人化しているものとは『G』です。
何故わざわざ作ろうと思ったし!?
しかし意外なことに擬人化された『ごきチャ』が可愛かったりするので、
これはこれでありとか思ってしまうところが悔しいです。
きっとこれを読めば、実際に『G』を見ても温かい目で見ることが・・・
できるかーっ!
リアルはリアルです。


主人公の『ごきチャ』はつい最近北海道にやって来たばかりの関東からの流れ者。
人類の敵として忌み嫌われる『G』としての宿命は、
北海道でも変わらず嫌われ続け・・・
『G』なんだから当然といえば当然なんですが、
何だかやたらと悲哀に満ちてます。
元々生息していた地元の同族からはつまはじきにされ、
猫には喰われそうになり、人間からは駆除されそうになり。
どこに行っても一人ぼっちなその姿は見ていて悲しくなってきます。
それに拍車をかける後半のストーリーパート。
結果として餌付けすることになってしまった一人の男とのお話で、
ご飯を恵んでもらった時の姿は思わずよかったねとか思ってしまいました。
だってそれまでが全て不遇な目にばかり遭っているのですから、
ちょっとくらいはいいことがあってもいいじゃないか。
そうじゃないといくら何でも切なすぎるよ。
相手は『G』だとわかっているのに・・・くっ・・・
もう世の中の『G』はみんなごきチャみたいな姿になればいいと思うよ。


ちなみに、台所の1シーンでまな板の上に置かれていた魚が
1コマだけフェイスハガーに変わっていたように見えるのは気のせいですか?