しなこいっ 3巻

しなこいっ3(CR COMICS)

しなこいっ3(CR COMICS)

奏でるは、真剣勝負の三重奏。


鳴神の放った刺客としてやって来た鯨&乱歩を迎え撃つべく、
三者三様な回避不可の戦いが幕を開ける・・・
と、最初から最後までコメディ的な描写は9割カットな
バトル展開一色となった今回。

三箇所同時に展開されるだけに一つの戦いを見ていても
他のところがどうなっているかが気になりますし、
いざ舞台の視点が変わってみればあの戦いはどうなったんだと
それぞれが相乗効果を生んでいて終始盛り上がりっぱなしでした。
例えるならば三位一体ではじめて真の良さがわかる合奏のようなもの。
最終的に一つに繋がる顛末も相まって
どれか一つ欠けても今回のような熱さは生まれなかったかもしれませんね。
とは言うものの笑いどころが一切ないわけではないので
バトルの合間の休憩として丁度いい感じです。
前回に引き続き虎春に股間を蹴られまくるメイド(男)とか、

ケバいオバちゃんに絡まれて瀕死の和巳とか、

巻末番外編のハンプティダンプティとか。

愛・完熟。
異様に耳に付いて離れない・・・


どちらかが倒れても未だわからぬ勝負の行方。
戦いの組み合わせこそ三組ありますが、
全てに共通していることが対峙している二人は同タイプだってことなんですよね。

師匠と乱歩はパワー型、龍之介と祥乃は足技使い、
そして桜と鯨は短剣道と関節技使い。
これが違う組み合わせだったら各々が個性を駆使して
相手にないものを弱点として突く戦い方になったと思いますが、
同じだからこそこんなにも戦いやすくも戦いにくくもなるものなのか。
異種格闘もそう珍しいものではなくなった昨今ですから、
だからこそこういう同種格闘ってものが強烈な印象をもって感じ取ることができますよ。
ただ、どの組み合わせでも言えることが
どんなに有利に事を進めていても一瞬で逆転され得ることがある、
最後の最後まで油断することは許されず、
気を抜いた方が確実に敗者として地に伏すことになる。
格ゲーとかの体力ゲージなどでは表すことができない要素ですね。
毎度の事ながら瞬間瞬間の真剣勝負に見る緊張感ってものがたまりません。


そんな戦いを繰り広げる面子は華やかでもあり濃くもあり。
開幕からブラ解放した師匠はやっぱどう見ても女にゃ見えないよなぁ・・・
そして何と言っても鳴神勢の全員が全員キャラ立ちすぎですよ。
対する乱歩は恐らく精神的なもので言うなら間違いなく最強キャラですし。
想いの強さって一点だけならばきっと誰であろうと勝てないです。

実は一話目からずっと登場してる祥乃も今回初戦闘となって
ちょこちょこと見せていた忍者っぷりを如何なく発揮してくれてます。
今までずっと執事服で男装してたから気付かなかったけど、
制服着込んで戦う姿は普通に可愛いと思うんだ。
今回戦ってる6人の中でも一番アクションが激しいのに
スカートの下は決して見せない鉄壁加減もなかなかのものです。

しかし最も注目するところは鯨ですね。
そもそも表紙&裏表紙だけに留まらず、
カバー下ではスク水姿まで披露してくれている上に
その何処にも他のキャラは一切いないと言うまさに無双状態。
元々鯨は本作の前身である読み切り版と同時期に発表された
屋上読書同盟のヒロインだったわけですが、
その頃から気に入っていたキャラだけに此度の仕様は超が付くほど俺得状態でした。
たまに某いっぺん死んでみる?の人に見えたりするのはそれはそれで。