未来日記 10巻

世界崩壊へのシナリオが始まる・・・


10巻目にしてアニメ化企画が進行中であることが明かされ、
次巻はDVD付き限定版が発売されることも発表された本作。
今までの中で最も長く続いていた最強の相手11thとの決着と
世界崩壊と共に始まった最終章。
けっこうな間続いてた11th戦だけど、決着の付き方はあまりにも唐突すぎて
『え?』と思わず唖然としてしまいました。
全てを見下した外道スマイルはラスボスの貫禄たっぷりだっただけに
もっと壮絶な最期を迎えるものかと思ってましたよ。

(結果としてこの最期が新たな謎を呼ぶこととなったわけですが)
毎回のように激動の展開が続いてきましたが、
その中においてもまさにクライマックスとも言うべき今回は
過去最大級の衝撃と謎と真実をもたらしてくれています。
恐らくあと1〜2巻くらいで完結すると思われますが、
それでも未だ先がどうなるかが全く予想がつきません。


一つの決着を迎えるために失ったものも大きく。
話のメインは如何にして11thを倒すかに集約されますが、
同時にもう一つの決着も付くことに。
1巻の頃から登場していて、一度はスピンオフで主人公にもなった9thの最期。
誰か一人になるまで殺し合うルールだから、
いつかこうなることはわかってはいたけれども、
初期からいた上に時には仲間として協力してくれたこともあっただけに
今までの誰よりもショックが大きいです。

何度となく雪輝に対してはアドバイスじみた説教もしていましたし、
だからこそこのところずっと悪役状態になっていた雪輝も
本心を明かして弱みを見せたんでしょうね。

時を同じくして全ての決着を付けるために動く者。
この頃は色々と調査していたりと裏で動いてばかりいた秋瀬も
最終局面を迎えるにあたって久しぶりに表舞台に出てきました。
と言うか、後半は完全に秋瀬が主人公状態です。

前巻は9thが主役ばりに活躍していたから、
前半で雪輝がまともに頑張ってるーと思ったらすぐさま影が・・・
そんな中で明かされた秋瀬の正体もこれまた意外でした。
もう本作において意外じゃないものなんてありえませんよ。


解き明かされたと思われていた真実によって新たに浮上してきた謎。
11thとの対決に入ってからその正体が不明な存在となった由乃
まさかここで更に正体不明な存在になろうとは・・・
何しろ、これまでの理屈で考えると誰にも11thを殺すことはできないんですよね。
生体認証ってのはそれほど強固なセキュリティなわけですから。
認証をパスできるのは登録済みの11th自身と、
既に全員死んでいるはずの我妻家の人間のみ。
当初は8巻冒頭の回に出てきた若葉さんが入れ替わったなんてことも考えていましたが、
今回の件でまずそれは否定。
生体認証は間違いなく本人じゃないとパスできないから、
そうなると由乃が二人いることに?
まさか双子だなんてことはありえないだろうし・・・
ただ、本編の中で語られている内容からすると一つの仮説には行き当たります。
由乃は一度ゲームに勝利して神になり、元の世界を放棄して始まりの時まで時間跳躍したのではないか』
と言うのが個人的な見解。

それならば死体で発見された由乃と今ここにいる由乃とが
同じ時系列二人存在していても不思議ではありませんし。
秋瀬は真実に気が付いたようだけど、その結論が如何なものなのかは次で判明するのかな。
最初から全てを知っている風で何かを企んでいるムルムルの動向も気になるところ。