氷室の天地〜Fate/school life 3巻

非常に濃いネタにまみれた夏休みが始まる。


TYPE-MOON作品を題材にした漫画も純粋にストーリーに沿ったものや、
スピンオフにパロディーと数あれど、
間違いなく本筋と一番かけ離れているのは本作ではないでしょうか。
ぱれっと初期から続いている本作も気付けば3巻目で、
とにかく濃すぎるネタの数々は衝撃と笑撃のダブルパンチです。
帯書きからしても『ネタの百花繚乱』だの『完全なるマッスルスパーク』だの言われるほど。
本編を見るでもなくカバー下、裏表紙、帯、中表紙とネタだらけですよ。

トリケラトプス拳とかは比較的最近のものだけど、
きっと長く使われることになる鉄板ネタの一つになると思うんだ。


非常に濃い上に範囲が広すぎるネタの数々。
まず中を見るでもなく裏表紙を見た時点でもその片鱗が窺えますが、
中はもっと大変なことになってます。
こういうネタ作品って作者の趣味がそのまま反映されて、
例えば80年代〜90年代のジャンプ黄金期等、特定の傾向に偏りがちと言うもの。
本作の場合、偏りが極端すぎて一言で表現できるレベルではありません。
強いて言うなら歴史系にはかなり特化してるかなーと。
とは言え、商業誌ベースのためにこれでもかなり抑えてる方です。
氏の同人誌とかではもっと大変なことになってますし。
最新刊ではナムコの芸能繋がりでさんまの名探偵とかチャイルズエストとか、
これでもかってくらいに洋ゲーをプッシュしてきたりしてますし。
まぁ本作の本編も十二分に濃いですけどね。

鬼無双とか孤独のグルメねじ式までもがネタとして出てきますし。
例えば綾香嬢がお好み焼き食ってるシーン。

果たして台詞に突っ込むべきか、背景に突っ込むべきか・・・


数あるネタの中でも特化してると思われるのが歴史ネタ。
走れメロスに秘められた太宰本人に纏わるエピソードとかどうでもいい知識が得られます。

そんな背景を知ってしまうと、感動と友情の作品も自虐付きの喜劇に見えてきてしまいますよ。
歴史、特に人物に関して特化した内容は作中に出てくるゲーム『英雄史大戦』でもわかります。
三国志大戦のようなこのゲームで前巻では慎二相手に勝負をしていましたが、
表紙を見てもわかる通り、今回の相手は何と一成。
その勝負の結果と負けた方が言うことを聞く約束は意外な方向へ・・・

あれ?もしかしてこれってすごい伏線ですか!?
ちなみに、今回の勝負に出てきた成田長親について詳しく作中では解説されていなかったので、
実際に調べてみたら実はとんでもない人物だったらしいです。
戦争とは数、城攻めは三倍の戦力がセオリーと言われる中、
北条方の自軍3,000騎で8倍近い戦力の豊臣勢23,000騎相手に最後まで城を防衛しきったとか何とか。