東京★イノセント 8巻

既婚(?)大家さんとの危険な恋(デンジャラス・ラブ)。


前巻でホームレスロリ神様の桜神が登場したのも束の間、
いきなりの新展開にびっくりするのと同時に、
いよいよ話が核心に近付いてきて恋愛模様は混迷の一途を辿り続けてます。
本編ともまた違った進路に悩む学生たちならではの情景を描いた番外編などもあり。
いつまでも学生でいられるわけでもないので、
いずれは各自進路を決めて巣立っていくものだとはわかってはいるけれど、
学園ものってキャラのイメージが学生で固まってしまうので、
無縁なものと思ってしまうことがよくありますが、やっぱ現実は現実ですね。
キャラ性と現実感を照らし合わせた場合の千歳が絶望的すぎる・・・

まぁあれです、『在家』ってことで一つ。


告白そのものは一応済ませて健全なお付き合いからとなった半蔵とメイだけれども、
一向に結ばれる気配のない二人と、謎の回想。
初対面のはずなのに一発で認めないと桜神に一蹴されてしまうし、
初耳となる友人面子も少なからず想っていたから素直に認めることができないもどかしさ。

本心を言い出しかけてしまうものの、一線引いてしまう千歳が何だかいじらしいです。
確実にツンがデレになってきた時期なだけになおのこと。
そして物語の核心に近付きつつある含みのあるラスト。

唐突にモノローグのように出てきたそれは、
過去に何かあったらしきフラグが見え隠れですよ。
桜神が隠している事実にも繋がっていくと思われますが、
真相が明らかになった上でそれを解決しない限り二人は結ばれないんだろうなぁ。


今回開幕からとある緊急事態が発生したことにより、
いきなり引越しをしてアパート住まいとなってしまうわけですが、
ただ舞台が変わっただけではない、共同住まいの賃貸住宅ならではの人間模様と言うものがあります。
事の真相を間違いなく知っているはずだけど語ろうとはしない
桜神と半蔵たちの距離は近いようで想像以上に遠いもの。
それを近づけようとする場合、第三者の介入こそが重要だったってことですね。
しかもその第三者をこれまで出てきたどのキャラでもない、
新キャラに行わせるところが引越し展開共々冒険してるなぁ。
何はともあれ、引越し先の大家さんがひたすらにツボすぎて困ります。

一体何を考えているのか全くわからない無表情から飛び出るトンデモ言動とか、
自称既婚者だけど年齢共々真相と正体が全く掴めない謎っぷりとかもうね。
出し抜けに半蔵とデンジャラス・ラブな関係築こうとしてくるし・・・

初登場シーンからして犬神繋がりでスケキヨさんですからね。

きっちり表紙も飾ってくれてますし、もうこのアパートにずっと定住でいいんでない?