俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1巻

妹の秘密に気付いてしまった事から始まる『人生相談』。


厳格な両親の下で育った一組の兄妹。
非凡なる容姿を持ち合わせた妹を持った平凡な兄がある日、
妹の意外すぎる秘密を知ってしまい・・・
原作ラノベが出た当時もそのネタから話題となった本作。
コミカライズ版としていよいよお目見えとなりました。
成程これは話題になるわけだ。
各所に散りばめられたネタも去ることながら、妹・桐乃が備え持ったギャップ性。
外見だけで言うのであれば、間違いなく渋谷方面が似合っている上に、
見た目のみならず成績も優秀、スポーツも万能と完璧超人っぷりを発揮しておきながら、
その実は紛れもない秋葉原側の人間だったりする二面性。
ツンデレと言う属性そのものにも言えることですが、
表と裏の二面性を備えたキャラってのは非常に魅力的ですよね。

ラストはあろうことか親父バレしてしまっていた場面で終わっていて、
ここからどう弁解するのか、京介が兄としての漢を見せるのかが気になります。

と言うか、親父怖えぇー・・・


やはり注目すべきところは桐乃のツンデレ具合と多彩に変化する表情。
近しい異性の身内って現実的にはあまり仲がいいものでもないので、
当初見せていたツン全開の表情はかつての我が身のようですよ。
この汚物を見るかのような視線すらそそられるものが・・・

(自分の場合、妹ではなくて姉ですが)
二次元は二次元、リアルはリアルときっちりと線は引いている点でもとても現実的。
隠していたものが見つかってしまうって気持ちもよくわかります。
ええ、自分も中学の頃に似たようなものを見つけられてしまった覚えがありますから。
何と言いますか、思春期ですよね。
キャラとして見るのもありですが、ある意味自身のオタとしての遍歴を見ているようでもあります。
特にきっかけがあるわけではない、気が付いたらそうなっていたと言う資質も、
はじめて同じ趣味の仲間同士で集まるオフ会に参加するときの緊張感も、
確固たるポリシーを持って譲れないラインがあるところ等、
(ここでの黒猫と真っ向から向き合ってるときこそが一切包み隠さぬところなんでしょうね)
実はオタとしてもある意味完璧なのかもしれません。
桐乃と言う人間を通じて、世の中人間社会に生きるオタの実態そのものを垣間見た気分です。


隠れオタを題材とした作品と言うことで、パロを含めたネタは濃いですね。
桐乃が妹属性であることが発覚したと思ったら、
さも当然のごとく引き合いに出されてくるのがシスプリ

シスプリももう10年前なんだよなー。
それでも迷うことなく出てくるあたりは妹ものの金字塔ってやつでしょうか。
桐乃のライバル兼親友となりそうな黒猫も見事にウマウマってたりしますし。

こういう予想だにしない瞬間にゲリラ的に現実に引き戻されるのは焦るを通り越してある種の恐怖を感じますよね。
そして何と言っても『かーずSP』だの『アキバBlog』だのの名前がストレートに出てきてます。

本当に多方面に影響及ぼしてますよね製麺業の人は。
かく言う自分もこんな感想サイトを始めるようになった最大のきっかけが
当の製麺業の人と花見の宴席で一緒に飲んだときの会話だったりするので、
影響を及ぼされたと言う意味では全然人のことを言えたものではありませんがね。