うごかし屋 2巻
- 作者: 芳崎せいむ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: コミック
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引越し業者の枠を超えた運送屋の人情劇、
1巻で想像以上にハマって本当に心待ちにしていた今回です。
人生を生きていくうちに何度あるかもわからない引越し。
もし機会があるとしたら、こういうところにこそ依頼したいですね。
そうでなくても、いろいろと考えて心動かされるものがありますよ。
ええ、まさに『うごかされ』ました。
行雲流水、時の向くまま気の向くままに、激流に浮かぶ流木のように、
されど動く時こそ全力で動くこと。
そんな生き方を心がけていきたいですね。
もしかして生きるためのポリシーまで動かされた?
運ぶものも人それぞれで、仏像もあれば生きた魚もあり。
一番デカいものだと電車なんてのもあったりします。
この何であろうとも動かせるものであれば何でも動かしてしまう、
だからこその『うごかし屋』なんですねこれが。
一番動かしているものはやはり人の心なわけですけど。
元犯罪者もいれば堅物の飼育員に、自殺志願者まで。
きっかけはほんの些細なこと、何気ない一言であり、僅かばかりの親切であり。
誠意を持って接すれば、心はきっと通じるものなんですね。
毎回話の内容に沿って出てくる文学作品。
相変わらず取り上げてくる話の幅が広いです。
そりゃもう半端ないくらいに。
国内海外は問いませんし、純文学もあれば図鑑や童謡に童話まで。
確かにある意味引越しの作品ではあるけれど、『三匹のこぶた』は意表を突かれましたよ。
引用するのも話の展開であったり、作中に出てくる名言であったり。
果ては作品の枠に囚われず、その作品を書いた作者自身の生涯についてもあり。
こうして見ると、何気なく読んでるものにもいろんな感動が詰まってるんだなぁと。
学生時代に国語の教科書を授業でやっている範囲外のところについて読んでいるときにあったあの楽しさ。
今ならその感覚を思い出せそうな気がします。