アホリズム 3巻

敵は内部にあり。


自然界の四属性を司る『水』の襲撃に始まり、
話は蝕によるもののみならず、生徒同士の抗争へとなだれ込み・・・
今回は内部抗争がメインとなるため、蝕は『水』のみでしたが、
さすがここまで生き延びてきた連中とでも言いましょうか、
なかなかに食えない連中ばっかりです。
かなーり衝撃的なラストなのですが、この先どうすんだこれ?
袴田の『蘇』みたいに死んでも生き返るものでもなし。


悪い噂ばかりが流れる4組、その実情は一人の生徒による完全独裁体制。
一言で言うなら恐怖政治ですね。
入学初日に担任を殺害し、そのままクラスを乗っ取って支配し、
逆らう者、逃げようとする者には死、あるいはそれに相当する制裁を加えて。
こういう極限状態ものとしては欠かせない狂気キャラきましたよ。
バトルロワイヤルとかに例えるなら桐山みたいなやつが。
作中に出てくる文字全般に言えるけど、武器に関するものよりも概念的なものの方が強い気がします。
4組の独裁者こと朝長の字は『盗』。
盗むどころか完全に略奪です。
のっけから自分の字を使いこなしてますし、
チート性能くさい能力相手に普通にどう対抗するんだよと。
直接対峙したら近付く前に何らか略奪されて終了だし。
恐怖に支配された4組メンバーがどう決起するかってところがこの先の見所なのかな。


4組が本格的に絡んできたことで、登場人物も随分と増えてきました。
(生徒の絶対数は減ってるわけだけど)
今回の起点となった離脱ペアが一番目立っていたけど、その分不幸キャラ一直線でしたが。
朝長のことを裏切るとどうなるかを身をもって証明する羽目になってしまいましたし。
一応殺されはしてないだけまだマシなのかもしれませんけどね。
他にも存在は確認されているものの、謎が多いのが小野さんとか。
最初の頃から出ているわりにはまともに喋ったこともないし、何の字を有してるのかもわからないし。
その言動からするに『霊』に関係するものっぽいですが果たして?
まぁ一番気になったのは1ページだけの出番のくせして、
とてつもないインパクトを残した綿津見の姐さんですけど。
何と言うかいろいろとすごい人でした。