ネットの海でつかまえて☆

ネトゲで繋がる、世代を超えた絆。


現実とネトゲの世界を股にかけ、現代ならではの異色カップルの成長していく姿。
最早同年代のカップルなどという組み合わせは古い?
新時代は5つも6つも離れた世代差が熱いです。
女子高生と小学生って組み合わせは少し前に『となりのだんな様』とかでもあったけれど、
本作はネトゲを二人を繋ぐ要素としてうまく使っていることでまた違う味を出してます。
ネットを『海』と表現するのはいいえて妙です。
情報量が多すぎて何をしたらいいのかも全くわからなかった処女航海の頃。
目には見えず形はないけれど確かに大海原を感じたものですよ。
それにしてもさすがはRの付く某ネトゲのアンソロ常連だっただけはあります。
何かと元となるネトゲが何であるかがうかがえる点はありますし。
GWも間近だし、せっかくだからまた再開しようかな。


相手の顔が見えないってのは人によってはそれが心地よく、
人によってはそれが苦痛で。
カインこと渉は後者にあたるタイプで、
あくまで表面上の付き合い、相手が見ているのは自分と言う人間個人ではなくて
操作しているキャラクターとして付き合っているに過ぎず・・・
自分もけっこうこの考えには同調できるところがあります。
誰ともわからない不特定の人相手となるとどうしても腹を探ってしまうと言いますか。
なのでコミュニケーションツールとしての機能を一切利用せずに
万年ソロプレイとなってしまうような悪循環ですっかりご無沙汰になっている経緯があるので。
だからでしょうかね、こんな出会いファンタジーだ!と思っても、
心のどこかでそれに憧れてしまうのは。
と言うか渉が普通にハイスペックすぎます。
普通に大人を通り越して年寄りじみた考えだし、
自分でパーツを買ってきて自作PC組みまくりだし。
まさか身体は子供、頭脳は大人って言い出すんじゃないだろうな!?


対するアリスことありすは人見知りな性格故にリアルでも友達が少なくて。
こういう側面も自分に近しいからでしょうかね、やっぱり同意できるんですよ。
前述のように勘ぐってしまうところもあるのは間違いないのだけれど、
それ以上に見知らぬ人の輪に入って話しかける行為そのものに踏み切れないタチですから。
彼女の姉のようにきっかけとなる人物がいたらまた何か違うのかな。
オンライン上での出会いに始まってリアルでの対面を経て次第に魅かれていって・・・
同時に人としても成長していく兆しってものが見られてですね。
何かと姉頼りだったのが相談事を友人に持ちかけるようになったり、
最終的には自ら付き合ってるとも取れる発言を公言するようになったり。
基本は歳の差恋愛話だけれど、こうした成長物語ってものが描かれていくのもいいなぁ。


ちなみに、自分の使っているPCも渉のもののように青く光りますが、
イルミネーションと言うよりも場末のバーとかスナック的な雰囲気を感じました。
更に言うと部屋の蛍光灯は消すとしばらく緑色に発光するので、
非常灯に照らされた廊下みたいな感じだったりするんです。
『海』として捉えるなら・・・珊瑚礁と解釈するようにしてみましょうか。