あねけん 1巻

あねけん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

あねけん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

たぶんダメな人、いいやきっとダメな人。


ぱれっと本誌で連載中のあにけんに対して、Liteで連載中のスピンオフ。
同じ世界でも人によって、環境によってこんなにも違う視点があるのです。
一応名目上ではスピンオフってことにはなっていますが、
基本大谷地家を舞台に話が進んでいくため、
本編とはまた違う、むしろ別作品と考えてもいいかもしれません。
なので、あにけんを読んでいなくても比較的すんなり入れるのではないでしょうか。
そんな本作の主人公は本編でも何度か登場していた大谷地君の姉である睦。
いろいろとダメな人全開の睦が弟をも巻き込んで漫画業界の荒波に立ち向かい・・・
むしろ轟沈している?
言うならばダメな大人がバクマンのように漫画家を目指してみたってとこでしょうか。
当然ダメな人たちだからこその面白さってのがあるわけですけどね。


それにしても大谷地君は本編と比べるとかなりキャラが違ってますね。
押しの強い部員達に為すがままに流されるタイプだったのが
流されキャラ半分、突っ込みキャラ半分で。
まぁ突っ込みがいませんからね。
妹のこのみは突っ込みとはまた違うし。
やはり家の中と外って少なからず違いって出るものです。
家族だからこそ見せる顔って誰にでもあるでしょうし。
自分だって家族相手とその他とではまるで別人のようになります。
酒が入るとまた別の意味で別人状態になるけれどそれはまた別のお話。


周囲を取り巻く環境も違いますから、本作独自のキャラも何人かいます。
最も身近で最も冷静なのが妹のこのみ。
ことあるごとに発せられる突っ込みを通り越した必殺の一言で凍りつく姉と兄。
この家族、逆年功序列です。
最強は間違いなくこのみです。
そしてひたすらミステリアス。
何故かこのみだけはギャルゲーの主人公によくある目無しのっぺらぼうキャラでして。
ここまで執拗に素顔が明かされないのは何か秘密があるのでしょうか・・・
漫画家を目指している関係で他にも
超腹黒関西人の同業者や作家に描かせる気を起こさせるノウハウを備えた編集者なども。
どっちもかなり濃いキャラしてますよ。
で、です。
この編集者の福住さん、すごーくどこかで見たような髪形をしてるわけでして。
恐らく本誌の読者層を考慮すると、読者の9割がたはこう思うのではないでしょうか。
アルクェイドがいる』と・・・


勿論本作も本編同様に仕込まれたネタに思わずニヤリ。
イベントで培われた人ごみ突破術ってのは実用性が高いと思うんだ。
欲しい新刊を手に入れるためにはいかに素早く効率的に回るかが問われるイベント。
だのに会場は身動き取るのがやっとの人ごみって考えれば自然と身に付くものですし。
描き下ろしの最後にあったパンダとタコの何だかすごい靴下、
Google先生でイメージ検索したらまんまのが出てきて激しく笑いました。
こんなすごいと言うか、この組み合わせを一体どうして思いついたのかが知りたい。
同時に何故『すごい柄の靴下』って単語でGoogle先生に質問したのかも知りたい。
どうやら別バージョンでパンダとフグ(アンディーじゃないよ?)ってのもあるみたいです。