ハックス! 1巻

ハックス!(1) (アフタヌーンKC)

ハックス!(1) (アフタヌーンKC)

動画製作、はじめました。


かなり独特のセンスの持ち主で空気を読むのがちょっと苦手な主人公のみよし。
高校入学まもなく歓迎会で見たアニメに影響され、次第に動画製作の世界へ・・・
かつて部活動レベルで動画製作なんて言ったら8ミリだったりするし
フィルムも感光式だから撮り直しが利かなかったりとか大変だったイメージがあるものですが
実に動画のストリーミングサービスも十分に普及した現代ならではの作品ですね。
最もシンプルな動画であるパラパラマンガから画像取り込み、編集を経て一つの動画として仕上がっていく。
今ならこういう編集ソフトなんかもそれなりにあるのでしょうけど
はじめて作ってみた、はじめて公に公開してみた、最初って緊張するものですね。
果たして周りの反応はどうか、受け入れてもらえるだろうか、そういうときの緊張感が味わえます。
作中では某ニコ動っぽい動画サービスとして『二十一世紀ひのまる動画』略して『二○動』ってのが出てきたり。
コメンドが弾幕として流れたり再生数・コメント数・マイリスト数なんてあるのはまんまです。
MAD作品がアングラすれすれの扱いで容量がでかいから分割ダウンロードとかしてた頃と比べると本当に進化したものです。
それだけ簡単に作って公開することができるようになったわけですから。


その見事なまでの空気読まなさっぷりで何も考えてないようでいて実は本当に何も考えていないみよし。
何も考えていないからこそ周りからまともな目で見られることもなかったのが
動画製作を経てネットで評価されることによってはじめてまともに見てもらえる、評価してもらえる。
心の底からやりたいものを見つけたときってこんななのかもしれませんね。
ひたむきになりすぎて周囲が気にならなくなるくらいのめり込んでしまうってのが。
動画の世界に入り込むきっかけとなったのが歓迎会のときに見たものの他にも
それに強い影響を与えたと思われるとあるアニメ。
少しずつアニオタとしての道も歩み始めてしまっている?


けっこう簡単にできあがった作品を見ることができる時代であるがために
製作側の事情ってかえってわかりづらい現状ではないかなと思う昨今ではありますが
だからこそこういう製作する側の話ってのは新鮮であり
触発されて自分も作ってみようと考え実践する新星の発掘にもいいのかもしれません。