岡本倫短編集 FlipFlap

岡本倫短編集 Flip Flap (愛蔵版コミックス)

岡本倫短編集 Flip Flap (愛蔵版コミックス)

岡本倫10年間の軌跡がここに。


エルフェンリートに通じるあまりに非情な描写にノノノノに通じる熱い描写に。
時に現実的、時に非現実的なこの作品群があってこそ今があるんだなぁ。
身近にあった人形が突然生命を持つ〜なんてエピソードが3作品もあったりしますが
そのどれにも共通しているのが限られたごく短期間での交流。
最終的に全て悲しい別れをすることになってそれによって人として一歩成長することができたとか
過去の悲しい思い出の真実を知ることになったり。
いい話だなーと思ったりする中で寿命がきて腕とか頭が容赦なく吹っ飛んでしまうあたりはさすが。
爆弾で上半身が跡形もなく消し飛んでいたり拳銃で頭を打ち抜かれて即死とか
話によってはそういう描写がさも当たり前のように出てきているインパクト。


出会った相手は天才的スポーツセンスの持ち主で〜という
スポ魂的な描写も実はノノノノに始まったことではないエピソードもあり。
掲載デビュー作品も収録されていますがこれのタイトルが『エルフェンリート』。
連載していたあれとは全く違う音楽家の話ですが
なるほど、やはり芸術家って言うのはどこかしらセンスがぶっ飛んでるんだ。
びっくり人間とかで出てきそうなピアノの弾き方ではあるけれども
ハンデを背負ったが故のこういう奇抜なスタイルであるからこそ大成したってパターンも歴史上多々ありますし。
この頃はちょっと絵柄が藤田和日郎っぽい?
お笑いの道を諦めて普通の会社に就職しようとして苦労し、
ようやく入った会社でも業績上がらず一年で退職、後に元相方と再度芸人を目指すも売れたのは分かれた相方の彼女と
仕事を題材にしたコメディチックな話もあって何気に引き出し多いなと思うわけです。


個人的に一番好きだったのが『レジストラ』ですが
連載とまではいかないにしても読み切りとして小出しに続きが読んでみたいなと。


富樫も推薦らしいですよ?