プピポ〜! 1巻

プピポー!1 (Flex Comix)

プピポー!1 (Flex Comix)

不思議生物とのちょっぴり怖くも温かい生活。


単行本4冊同時発売の押切祭り最後の4冊目。
夕方の帰り道に段ボール箱に入っていたそれはピンク色でふわふわしてて正体不明の謎の生物。
霊感体質でそれが故にクラスメイトからは無視されているそれが更に暗い性格にしていくと
悪循環のスパイラル状態となっていた主人公の若葉がその謎の生物『ポーちゃん』を拾ったことから
少しずつ確実に変わっていく日常。
寄り付いてくる悪霊からは守ってくれて友達までできて。
最初はそんなお化けものと思わせておいてから中盤から一気に展開が変わって楽しませてくれます。
はじめてできた友達がとある悪霊を怒らせてしまったために結果として車に轢かれて生死の境を彷徨うように。
それを助けに生と死の境界へ迎えに行って・・・
押切作品ならではの霊とかお化けとかそういうものはありますが
何よりもこれを読んで感じたのは『友情』でした。
窮地のときにこそ手を差し伸べてくれる者こそ真の友と言いますが本当にそうですねと。
もし身近に生死の境を彷徨うことになった人がいたとして手を差し伸べることができるでしょうか?


ラストで一瞬人間の赤ちゃんのような小さな手である錯覚を見た『ポーちゃん』の手。
実は生まれてくることのできなかった若葉の弟とか妹とかそんなものが正体なのかも・・・


今回の押切祭り、それぞれがそれぞれ違った個性を出していて新境地を見た気がします。
でろでろでギャグ、プピポ〜!で友情と小さな感動、
ゆうやみ特攻隊でバトル展開の熱い猛り、ミスミソウでいじめを通じて人間の内面に潜む醜さと恐ろしさ。
去年の分ではでろでろよりもギャグ(と言うか4コマ)のぼくと姉とオバケたちもありましたがこっちも続きが気になるところです。