「おせちもいいけどカレーもね」と言うが二日の時点でパンとかラーメンを食っていた

年明けてから初の終日フリーな休日。
新刊読んだり夕寝したり記事書いたりゲームしたりで、
雑多なる一日を過ごしてました。
嗚呼、全然新刊が消化できてない・・・
漫画総括記事書くのに時間かけすぎだって話もありますが。
(まぁ新刊読んだらそれはそれでそっちの感想書くんだろうけど)
そして気付けば休みも最終日。
出先の現場は4日から仕事始めですが、
自分の会社は5日からなので、最後の一日を堪能します。
と言っても、毎年恒例の東京都内下町七福神巡りのために亀戸行って来ますがね。

2011年度漫画総括〜歳の差恋愛編〜

激動の年と呼ばれる2011年。
様々な社会情勢の中、漫画界において、
とある一つのジャンルが静かな盛り上がりを見せていました。
それが歳の差恋愛もの。
現実には少なくないし、芸能ニュースでは二桁離れた相手と結婚なんてしょっちゅう耳にします。
が、実際そう簡単に成立するようなものでもなく、
やはり世間体と当事者たちの親族の目もあって、
茨の道であることもまた事実。
そのような題材を取り扱った作品が何故か多かった年なのです。

  • 家族愛から転じつつある男女愛

まず1月と9月とに2010年より続く『高杉さん家のおべんとう』の新刊が登場します。

高杉さん家のおべんとう 1

高杉さん家のおべんとう 1

当初の展開は他人だった二人が家族として距離を縮めてゆくことが中心で、
実際、本作のメインテーマも家族なので、それはごく普通のことです。
が、話が進むごとに久留里の温巳に対する感情が恋愛的なものに・・・
既に二人が非血縁であることは判明してますし、
作中の時系列であと数年もすれば結婚可能なんですよね。
今年出たこの系統のジャンルにも多い、歳の差同居ものと言うこともあり、
このまま家族の枠のままで納得してしまうのか、
想いの全てを打ち明ける展開となってゆくのか、
どちらに転ぶか気になるところですね。

  • センセーショナルな話題作の完結

続く3月。
これまた2008年より続いていた『未満れんあい』の最終巻が発売に。

未満れんあい 1 (アクションコミックス)

未満れんあい 1 (アクションコミックス)

未満れんあい(5) (アクションコミックス)

未満れんあい(5) (アクションコミックス)

29歳(途中で30になりますが)のエロゲ会社プログラマーと、
エロゲのエの字も知らない超純粋な中学生の恋愛もので、
歳の差16歳と言う設定は発売当初かなりセンセーショナルなものがありました。
職業的に偏見で見られることも多く、
当初はそれを隠していたり、バレたり誤解もあったりで、
何度も諦めかけることはあっても、恋心は間違いなく本物。
最後までそれを貫き通して想いが伝わる結末は感慨深いものがあります。
(作者自身が二人のイチャラブ同人誌を描かれてますが、本編を読んだ後だと一層くるものが)
しかして最終巻の発売日が奇しくも震災の翌日。
最後の最後まで話題性に事欠かない作品でした。

  • 業界最高年齢差の登場

前述の「未満れんあい」が完結して間もない4月。
入れ替わるかのように、我々の度肝を抜くとんでもない作品が登場することになります。
それが『これは恋のはなし』

これは恋のはなし(1) (KCx)

これは恋のはなし(1) (KCx)

これは恋のはなし(3) (KCx)

これは恋のはなし(3) (KCx)

31歳小説家と10歳小学生の何と年齢差21歳と言う、
年齢差記録を5歳分も大幅更新する衝撃の問題作。
ARIA連載の少女漫画なわけですが、
少年誌・青年誌では見られないような凄まじい領域の片鱗を覗かせてくれました。
さすがに主人公はロリコンではないので、今の時点ではまだそういう感情は抱いていません。
が、一方で少女の方は既に主人公へ抱く想いが恋愛感情であることを自覚しており、
経緯はどうあれ、ほぼ通い妻状態に。
同様のテーマの作品が複数ある中でも、飛び抜けてヤバいわこれは。
最初から恋愛をテーマに掲げているから、
一体どうやって小学生に対して恋愛感情を抱くに至ってしまうのやら・・・
2012年も動向が見逃せません。

  • 恋愛は救済になることもある

世間では加藤茶が45歳差の結婚をしたことが報じられ、
現実と芸能界の恐ろしさの片鱗を見せ付けられた8月を隔て、
続刊等を隔てつつ、特に目立った動向の無い夏は過ぎ、
晩夏から秋になろうとしながらも、暑い日が続く9月。
新たに登場したのが『40センチの初恋』

漫画家と小学生の19歳差の交流を描いた本作は、
1巻完結の話ではありますが、距離を近付く経緯がしっかりと描かれていて、
願わくばもう少し見たかったところですね。
タイトルに恋の文字は入っているものの、恋愛要素は若干低めで表現もソフト。
どちらかと言えばトラウマを持つ主人公と、
自分を変えたいと思うけれど変われない少女が、
互いに互いを救済する成長譚として見た方がわかりやすいかもしれません。
それで結果としての恋愛に至る内容は他と一味違い、
歳の差恋愛と言うテーマに一石を投じたとも言えます。

  • 半ば強迫観念の同居

そして10月、もう一つの同居もの作品が発売されます。
今回取り上げる作品の中では、唯一濡れ場シーンもある作品、
『一緒に暮らすための約束をいくつか』です。

一緒に暮らすための約束をいくつか 1 (芳文社コミックス)

一緒に暮らすための約束をいくつか 1 (芳文社コミックス)

亡くなった親友の娘を半ば強引に引き取ったことから始まる同居生活。
歳の差は21歳ありますが、35歳と14歳と言うこともあって、
小学生相手ではない分、衝撃は若干少なめでしょうか。
それ以上に青年誌掲載作品故のぇちぃ場面が少なくないことの方が衝撃ですか。
ぁ、相手は主人公と同じ30代半ばですのでご安心を。
さすがに中学生とヤったら犯罪だし・・・
それと同時に話が最も重いのも本作。
基本的に主人公がダメ人間で、今の生活への半ば後悔の念と、
仮初めの肉体関係とで三角関係は混迷の一途。
悪循環に陥りつつある状況から如何に抜け出すのかが今後気になるところ。

  • まとめ

以上、既作合わせて5作品紹介してきました。
確かに十や二十もあるわけではないけれども、
このような希少なテーマを扱った作品が、
同年にこれだけ出るということ自体が珍しいわけです。
2012年現在で継続中の3作品の他にも、
また新たな歳の差ものが登場するのか、
継続中の作品にとんでもない急展開がやって来たりするのか。
少数精鋭ながらも粒揃いの作品が多いので要注目ですね。