ぼっち・イン・ザ・サマー 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』 2巻

盛大な勘違いをしたまま高校入学してしまい、
喪女を通り越して絶賛ぼっち街道爆進中の智子。
空回りの日々を繰り返すうちに夏休みがやって来て・・・
ひたすらに残念な娘さんの痛い日々を描いた
色んな意味で心に重く響く本作も2巻目へと突入し、
誰と遊ぶでもなくいたずらに時ばかりが過ぎてゆく夏の日々には、
身に覚えがあるような無いような複雑な気分にさせられること請け合いです。

友達とどこかに遊びに行く?
海?花火?キャンプ?
そんなもんはリア充の都市伝説ですよっ!
普通この手の高校生活を描いた作品を見ていると、
当時が懐かしくなってもう一度あの頃に戻れればなんて思ったりするものだけど、
これほどまでにもそう感じさせないほど作中に漂う痛さは凄まじいものがあります。

確かに自分も高校時代はどちらかと言うと忘れたいと思うくらいに、
いい思い出が無い三年間ではありましたが、
本作の智子のアレっぷりを見ていると、
自分の高校時代なんて全然マシだったんだなーとか錯覚してしまいますね。
何だかんだで満喫してたんかなー。


残念っぷりは最早留まるところを知らない。
何とか現状を打破しようと奮闘するも、
全てが裏目に出るもんだからとにかく痛くて見てられない。
開幕から某長門的な無表情キャラを目指そうとして失敗し、
親戚の子には侮蔑をも通り越した哀れみの目を向けられ、
声優との握手会では周りがドン引きするような台詞のリクエストまでしてしまう。

前回登場していた中学時代の友達は完全にリア充街道突っ走ってるもんだから、
ぼっちの喪女なんか相手にしてられないことを暗に語るほど出番もなく。
ただの喪女だってんならばまだ救いがあったでしょうに、
完全にそれを通り越してただのコミュ障持ちのぼっちにしか見えない・・・
もうやめて!あなたのLPはとっくにゼロよ!
素材は悪くないはずなんですけどね。
本気でリア充になろうと努力してイメチェンすれば化けるだろうし。
しかしそう思っても行動には移さないのがオタ寄りな人間の宿命でもあり。
今回夏の最後のとある出来事を機に少しだけ前向きっぽい考えも見せるけど、
きっと速攻で崩れ去る豆腐マインドのような予感しかしませんて。
二学期に待ち受けるは更なるぼっち街道なのか否か。

ぃゃ、ほぼ間違いなく一学期と変わらないんだろうけども、
少しは希望を持ってあげないと可哀想じゃないか。
・・・いつの間にか読者からすらも哀れみの目を向けられる智子さん悲しすぎるぜ。


どうこう言っても身近に居たらやっぱり関わりたくないと思ってしまう罠。
さすがにゴミを見るような目で見てる弟君ほどではないにせよ、
現実的に考えたら引くんだろうなー。
クラスに一人は生理的に受け付けられない人っていたりしたもんだし、
現実に置き換えたらそういうタイプな感じがする。
本作の趣旨からすればそう思うこと自体が見事に思惑にはまってるんですがね。
一歩間違えばこうなってしまう危険は仕事をしてる今でも付き纏うし、
あんたある意味最高の人生の(反面)教師だよ!