ムダヅモ無き改革 3巻

ムダヅモ無き改革 (3) (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (3) (近代麻雀コミックス)

大統領死すとも、合衆国の誇りは死せず。


OVAアニメ版も本当に製作中で2010年2月26日発売決定とのことらしい本作。
現代に復活し、月からやって来た『第四帝国』ことナチスドイツとの戦いも
中堅戦を迎えて更に激化の一途を辿る今回。
ヤングガンガンに収録された咲-Saki-の応援漫画『立-Ritz-』も、

現在の民主体制を痛烈に皮肉った番外編も収録された豪華仕様となっております。
表紙では轟盲牌を炸裂させている小泉ではあるけれど、
出番としては完全にお預けで完全に主人公はブッシュ親子に。
逆転に次ぐ逆転の連続で、最後まで勝負の結果がわからなくて、
非常に熱い展開が続くおかげで最初から最後までテンション上がりっぱなしです。
ある意味一番熱かったのが番外編の民主斬りではありますが、
個人的な思想を書いてしまうと完全に民主批判論が展開されることになるし、
そういうことを書く場でもないので一言で言うと、
恨みでもあるのかってくらいに本当に民主が嫌いなんだなーと。


最初から最後までひたすらに熱かった今回のメインである中堅戦。
第四帝国側はこれまで尖兵として、案内人として、
そして立会人として活躍してきたスコルツェニーが
相方に『爆撃王』ことハンス・ルーデルを従えて参戦する総力戦。
対するはこれまで待っていましたと言わんばかりのブッシュ親子と、
顔ぶれからしてテンション上がらずにはいられません。
何しろ対局始まる前の次峰戦後始末からし
パパ・ブッシュの烈風拳が飛び出す始末ですから。

これまでの戦いが前哨戦でしかなかったかのような熾烈を極めた戦いの中、
個人の能力や情勢をも超えたほんのささやかな親子の情に、

合衆国全てを背負って立つ大統領としての誇り。
スコルツェニーも決死の策でバレれば即狙撃にて射殺の状況下において
あえてサマを仕掛ける大胆不敵さとその最期。

卓を囲んだ漢たちに、そして散っていった漢たちに敬礼!
この覚悟と心意気は敵味方の関係をも超越してますよ。


衝撃の連続で幕を閉じた中堅戦の熱気も冷めやらぬうちに始まる副将戦。
ついにローマ法王の出番がやって来た地球連合軍に対する第四帝国側の副将は何と・・・

ヒトラー総統閣下きたー!
って、ちょっと待てー!
まだ副将戦ですよね?
相手ってナチスだったからどう考えてもヒトラーってラスボスですよね?
小泉の相手になる大将ってどうするんだろう・・・
でもよく考えてみよう。
現在やっている本編は『神々の黄昏』編であるわけで、
『神々』と言うキーワードと、ヒトラー自身が二人といないほど
強力な反ユダヤ思想の持ち主であったこと、
かつてヒトラーユーゲントに参加していた少年時代のローマ法王ことヨーゼフ・ラッツィンガー自身が
現在ベネディクト16世の名でキリスト教の最高位である教皇の位置にいること。
以上を踏まえてを考えると導き出される結論は・・・
ハハ、まさかね?
文字通り本当の『神』であるイエス・キリストが第四帝国側の大将として
小泉の相手に出てきてしまうなんてことが・・・
ありえるから怖い。